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最終更新:2012年12月13日(木) 20時51分

「ミサイル」発射、防衛省が感じた“異変”

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 北朝鮮が成功したと胸を張る今回のミサイル発射。しかし、東京・市ヶ谷の防衛省ではミサイル発射から9分後、1段目の連結が外されるころにちょっとした異変を感じていました。

 「壊れたんじゃないか」(防衛省担当者)

 まずは1段目が分離し、その後、先端のカバーが黄海に落下したことはわかっています。

 しかし、政府関係者によりますと、レーダー上ではこのほかにも2つぐらいの物体が分解し、落下するのが確認されたといいます。これは北朝鮮が意図的に分解、もしくは破壊させたのでしょうか。

 「わざわざ大きな段目を破壊してまで、落とす必然性は一般的に考えるとない」(首都大学東京 航空宇宙工学域・湯浅三郎教授〔推進工学〕)

 その後、2段目が分離し、落下する段階までに機体はさらに2つに分解されて落下したとみられるといいます。

 「どうしてもエンジンを隠したい場合など、爆発させるかもしれない」(首都大学東京 航空宇宙工学域・湯浅三郎教授〔推進工学〕)

 軍事機密の保持などを目的とした意図的な破壊であれば、ミサイル技術は相当進んだ可能性があり、日本政府は今後、性能の分析を急ぐことになります。

 各国が翻弄された北朝鮮のミサイル発射。事前にその兆候ととらえることができる情報があったことがわかってきました。

 発射前日の衛星写真には、トンチャンリの発射台の周辺に筒状のものを載せたトレーラー数台が集結しているのが確認され、日本や韓国では「解体作業が始まっている」との見方も広がっていました。

 しかし、アメリカ当局者の一部は全く違う見解を持っていたといいます。

 「ミサイルが発射台に立っている。近日中の発射の可能性もある」(アメリカの情報)

 この情報は、ミサイル発射の前夜から未明にかけて、防衛省の情報担当者や自衛隊幹部にも伝えられていましたが・・・

 「何を根拠にそう言っているのか、わからなかった」(防衛省関係者)

 アメリカからの情報は官邸や大臣にも伝えられましたが、「即日発射の可能性が高いとまでは判断されなかった」といいます。12日午前8時に行われた関係閣僚会合ではアメリカ側の見立てとして、「近日中にも発射可能」との情報が共有されましたが、その後、参加者は「今日はない」などと話していたといいます。

 そしてミサイル発射の直前、防衛省の担当者が新たに届いた衛星画像を解析して、ある変化に気がつきます。

 「発射台の付近にいたトレーラーが消えている」(政府関係者)

 また、発射台に黒いもので覆われたミサイルらしきものが立っているのも確認できたといいます。

 担当者が森本大臣に報告した直後の午前9時54分、官邸に情報が伝わる前にミサイルは発射されました。(13日18:00)

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