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経済
日立造船と住友化学、津波被害の農地修復技術を確立
2012.12.12 19:04
日立造船と住友化学は12日、東日本大震災で津波の被害を受けた東北地方の農地を、再び作付けができる状態に修復する技術を確立したと発表した。宮城県内の水田から回収した土砂から、津波で運ばれてきた細かながれきや塩分を取り除き、約450平方メートルの水田で稲の生育実験を行ったところ、208キロのコメを収穫できたという。
両社は昨年11月、宮城県亘理町の水田で実証実験を開始。日立造船は津波で運ばれてきた土砂の回収や除塩などを、住友化学は土壌診断や生育試験などをそれぞれ担当した。
これまで、土砂がまだらに堆積して表面がでこぼこになった水田では、土の量を把握するのに時間と費用がかかっていた。日立造船は衛星利用測位システム(GPS)を搭載したトラクターを走らせて水田の高低を高精度に計測し、所要時間を従来の約60分の1に短縮。効率のよい掘削・運搬を可能にした。
運び出した土砂はサイクロン(遠心分離器)にかけ、細かながれきや塩分を除去。住友化学が津波などで洗い流された土壌中の栄養分を分析し、足りない成分を算出して適切な肥料の種類や添加量を設計した。今年5月に約450平方メートルの水田に作付けし、10月にコメ(ひとめぼれ)208キロを収穫したという。
日立造船は「費用は量によってかなり変わってくるため一概には言えないが、(回収した土砂からがれきなどを取り除いた)砂を建築資材として利用できればかなり安い費用でできる」と説明。「今後、被災地でこの技術を生かし、一日も早い復興に貢献していく」としている。
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