北朝鮮ミサイル:「衛星」軌道に到達…米韓両政府が発表

毎日新聞 2012年12月12日 22時04分(最終更新 12月12日 23時42分)

 【ワシントン白戸圭一、ソウル澤田克己、ニューヨーク草野和彦、朝日弘行】北朝鮮が発射した「人工衛星」と称する事実上の長距離弾道ミサイルについて、米韓両政府は12日、3段目の搭載物が地球の周回軌道に到達したとみられると発表した。国連安全保障理事会はニューヨークでの12日午前(日本時間13日未明)の緊急会合で対北朝鮮制裁強化を協議。4月に発射した際の議長声明で再発射に対して「しかるべき行動をとる」と警告しており、日米韓は大幅な制裁強化を主張する。また、日米韓では北朝鮮による3度目の核実験実施への警戒も強まっている。

 ◇国連安保理、制裁強化を協議

 ミサイルは「テポドン2号」(推定射程約6000キロ)の改良型で3段式とみられる。北朝鮮国営の朝鮮中央通信は12日午後、「人工衛星」の打ち上げに成功し、地球の両極上空を通る「極軌道を周回している」と報じた。

 米加両軍の北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)は11日夜(同12日午後)、声明を発表し、2段目を分離した後、3段目のミサイルが「(搭載された)何らかの物体を軌道に到達させたとみられる」と明らかにした。

 韓国国防省報道官も12日午後、「1〜3段目は正常に作動した。ミサイルの搭載物はひとまず軌道に進入したように見える。ただ、軌道上で正常に作動し続けるかはもう少し監視しなければならない」と述べた。

 森本敏防衛相は12日午後の記者会見で軌道上を周回しているかの確認は「専門的な分析が必要で、少し時間がかかる」とし、「人工衛星であれば発射される電波の有無について総務省が検討、確認している」と語った。

 韓国の聯合ニュースによると、韓国軍はミサイルの射程を米全土に到達可能な1万3000キロ以上と推定。同軍関係者は「1段目の燃焼時間は156秒で、4月に発射された時の130秒より長かった」と指摘した。

 韓国の金寛鎮(キム・グァンジン)国防相は12日、国会国防委員会で「北朝鮮の意図は大陸間弾道ミサイル(ICBM)開発で、発射されたのは長距離ミサイルに間違いない」と言明した。

 ただ、「衛星」については「重量が約100キロで、実質的な衛星の役割をできない非常に初歩的な水準」と指摘した。また、「核実験の準備が相当進んでいる。核とミサイルを連動させており、核実験に踏み切ると十分予想できる」と警戒感を示した。

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