角田美代子容疑者が留置場で自殺…尼崎連続変死

　兵庫県尼崎市の連続変死事件で、殺人容疑などで再逮捕した角田美代子容疑者（６４）が１２日、県警本部（神戸市）留置場の布団の中で首に衣類を巻いた状態で見つかり、病院で死亡が確認された。司法解剖の結果、死因は窒息死で、県警は首に巻かれた長袖Ｔシャツによる自殺とみている。

　美代子容疑者周辺では昨年１１月にコンクリート詰めのドラム缶から見つかった大江和子さん＝当時（６６）＝を含め計６人の遺体が見つかった。兵庫・香川県警合同捜査本部が「首謀者」とみていた容疑者の死亡で全容解明は難しくなった。県警は美代子容疑者が「死にたい」と話し、落ち込むなどしていたことなどから１０月下旬以降、留置場の見回り回数を増やすなどしていた直後で、留置管理に問題がなかったかも問われそうだ。

　神戸地検は起訴済みの大江さん事件について神戸地裁に公訴棄却を申し立てる一方、橋本次郎さん＝当時（５３）＝の殺人などの容疑を不起訴にする方針。

　留置管理課によると、美代子容疑者は県警本部３階にある女性専用の留置場でほかの２人と並んで布団で寝ていた。１２日午前６時１０分、見回りの担当者が寝息が聞こえないことに気付き、同２１分、ほかの警察官２人と一緒に中に入ったところ、黒い長袖Ｔシャツの両袖を首に巻いて結んだ状態で、意識はなかった。

　県警は、寝息が聞こえないことに気付いてから中に入るまで１１分かかっていたことから対応が適切だったか検証する。

　県警は１０月２６日以降、１時間に６回巡回する「特別要注意者」として監視を強化。美代子容疑者は連日、睡眠導入剤を服用していたという。

　捜査本部は今月５日、橋本さんを殺害したとして、美代子容疑者ら７人を再逮捕。美代子容疑者は「悪いのは全て私です」と話した。弁護士によると、大江さん事件は「関与していない」、橋本さん事件は「責任はあるが、殺意はなかった」と話し、「生きていても意味がない」などとも漏らしていた。

　留置管理課の橋本真佐男次席は「現時点で落ち度はなかった。今後、詳細を調べる」と話した。

（2012年12月12日22時19分スポーツ報知）