2012-12-11
リベラルの敗北に寄せて
既に自民(片山さつきとか)も石原も橋下も十分すぎるほどにやらかしてるけれども、支持率に大きな変動はなかったことから考えても、ここから情勢が急転するってことはないと思うので、かなり早漏だけど、敗北宣言をしておこうと。来週はほんとシャレにならないぐらい忙しいので。*1
多分自民280、公明30、維新40、民主90、その他40って所からあんまり大きくは変動しないんじゃないかな。小泉チルドレンに限らず、民主党の1年生議員にしてもそうでしたが、300近くなってくるとまたぞろ面白系の人たちが大挙して国会にやってくるんだろうと、胸が熱くなってまいります。維新みたいに存在自体が冗談みたいな人たちからも石原慎太郎(トリプル役満)、東国原英夫(口蹄疫)、中田宏(開国博)、山田宏(つくる会)、西村真悟(右翼に名義貸し)あたりのレイシストやらやりかけのクソみたいな作品を途中で放り出して尻拭いをさせ、なお他人事のように批判するような連中が当選確実かと思うと、私としては本当にもうなんというか、「ううん、ほんともう勘弁して下さい」と言う感じです。
私としては民主党にはリベラルを糾合すべく、「雇用、教育、社会保障」を中心に据えていってほしかったのですが、自民のネガキャン路線のようです。それでは「自民、民主じゃないどこか」に投票しようとしている人たちに訴求できないのではないかなぁと思うんですが。まぁ歳出削減に一生懸命すぎる野田さんに期待する方が間違っているとは思うのですけれどもね。
ただ以前になんかのブコメでも書いたのですが、サヨクはやはり衰退すべくして衰退しているのだという感が否めません。我々サヨクはすぐにウヨク的な人々や小泉や維新の会やらを支持する人を「肉屋を支持する豚」的なまぁ端的に言ってしまえば「バカ」扱いするのですけれども、まぁ相手の立場になって考えてみると、彼らは彼らの行動根拠を持っていると思うのであります。もちろん私もご多分に漏れずそういう人たちのことを「バカ」だと感じてしまいますし、「勘弁して下さい」としか言えない場面も多々あるのですが、「バカ」だと思うヤツらに「おまえらはこんなにバカだ」っていっても反感買うだけで、いいことは何にもないんだと思うんですな。向こう側もこっち側に同じようなことを思ってると思うんですけれども。
国際協調とかそういうことを高らかに謳うサヨクとしましては「バカ」にバカってレッテル貼ってりゃ批判になると思ってちゃあいかんのではないかと思うのですわ。アメリカのリベラルも茶会の連中の隆盛を見て「プッwwバカすぎ」みたいな感じ(スペルミスや主張の矛盾をあげつらうことに終始していた)だったので、まぁ日本に限ったことではないのでしょうけれども。アメリカにしても日本にしても結局は雇用と不公平感に尽きるのだろうと思うのですよ、結局。維新の主な支持層は40代、60代ということらしいので、自暴自棄になった若者が、ってのもまた幻想ではあるのでしょうが。リベラルは鼻につく、というか衒学的なところはやはりあるようにも思いますしな。
私ごとではございますが、私、組合でいやいやながらも幹部をやらせていただいたことがあるんですけれども、その時にまぁ偉いさんとずいぶんもめましたわ。当時も今も組合の主な要求は「賃下げ反対」やら「勤務評価反対」で、当時から既に研究勢力の過半数を占めていた非正規雇用研究者に対する要望なんかまぁ扱いの低いこと、低いこと。申し訳程度にしか書いていませんでしたな。もうなくなりましたけれども勤務評価反対ってなんじゃそらとは思ったよ、私でも。私は今もですけれども(研究者に限らずですが)とにかく公務員労働者の単価を切り下げてでも雇用の拡大をしてほしいと思っているので、組合時代はだいぶもめたのですな。若手研究者(もう言うほど若くないですが)としては、同世代の同僚は殆どがPDで、普段話をするのは大体彼らなわけですが、世間話でやっぱり正規雇用の我々とは温度差があるんですよね。いろいろ。定年延長について雑談している中で、50ぐらいのベテラン研究者が「65までなんか働きたくねェよ」と愚痴っていた後に、35ぐらいのPDが漏らした「そこまで働ける気でいられることがどんだけ恵まれているのかわかってない」といった言葉が忘れられません。
「賃下げ絶対反対」と「人件費削減」の結果が「新採抑制」になるのは非を見るより明らかだと思うので、財布を握ってる側に理がないわけではないので、交渉と言うならやっぱり「賃下げ」のカードを使って雇用の拡大を要求していくべきなんじゃないかなと思うんですわ。もちろん赤字国債をいくら出しても大丈夫だっていう主張なら、まぁそれはそれで仕方がないのかもしれないですけれども。私は労働ビッグバンの施策ではそれが上手くいくとは思わなかったので、竹中平蔵も、八代尚宏も嫌いだけれども、彼らの言うことに全く理がないとは思わないですよ。低い方に合わせるんじゃなくて、高い方に合わせてほしい、というのが私の希望で、それを実現するために負担が増えるのならば歓迎したい、というのが私のスタンスなのです。まぁとは言っても私の主張に納得いかないサヨク諸子も多いでしょうけれども、どうにもサヨクは理想は高いのだけれどもそれに向かって泥をすすって調整する、というような気概を失っているんじゃないのかなぁと思うんですね。湯浅誠さんなんかは政権に入ったことによってかなり感覚も変わられたようで、期待したいとは思っているのですが。
ともあれ今回はサヨクは完全敗北と言っていいと思いますので、反省するべきは真摯に反省して、支持の拡大をするべく、話し合いをしていくべきなんじゃないのかな、と。そのためにもサヨクの火を消さないために、民主党の菅グループやリベラルの会、共産党あたりがまだ呼吸は続けられる位には議席を伸ばしてほしいなと、切に願っております。