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【格闘技】

佐藤洋太 レッドソックスで出陣

2012年12月12日 紙面から

真っ赤なハイソックスで出陣。気合を入れる佐藤(竹下陽二撮影)

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 洋太、スケータールックで出陣だ−。大みそかのWBC世界スーパーフライ級タイトルマッチで2度目の防衛戦に臨む王者佐藤洋太(28)が11日、スケートボードをする際に着ける真っ赤なハイソックスを履いて戦うプランを明かした。「ボクサーと言われるより、スケーターと呼ばれたい」と言うほど、筋金入りのスケーター・洋太。リング上でどんな離れ業を見せるのか。

 奇想天外な言動がトレードマークの佐藤が、大みそか決戦に向けて、奇抜なプランを打ち出した。

 「実は真っ赤なハイソックスを履いて、スケータールックで戦おうかと。スケーター魂を見せたいですからね」

 スケボー歴15年以上。筋金入りのスケボー人間だ。昼間はガソリンスタンドで働き、夜はジムでボクシングの練習。帰宅後、夕食を食べて、仲間たちが待つ公園に出かけ、スケボー三昧が日課。夜中の2時、くらいまで少年の心に戻って滑り続ける。本人は健全な夜遊びと言っているが、スネのあたりは生傷だらけ。だが、本人にとっては名誉の負傷だ。

 世界王者だから、けがをしちゃいけないから、スケボーやるなとは言わせないし、やりませんとも言わない。ボクサーと呼ばれるよりも、スケーターと呼ばれたいと心底思う男。燃えるような真っ赤なハイソックスは、その象徴。佐藤はその誇りを胸にリングに上がろうというわけだ。

 では、佐藤の言うスケーター魂とは一体何ぞや。

 「つまり、自由な発想です。スケーターは、こうであらねばならないとか、そういう固定観念ないですから。自由に戦うという意味でね。あと、バカになれるとか、何事も恐れないとか、そういうのがスケーター魂だと思うんです」

 なるほど、マジカルボックスという異名通り、佐藤のボクシングは自由な発想に満ちあふれている。ノーガード戦法しかり、相手から視線を切ってあらぬ方に歩き出す“ノー・ルック・ウオーク”しかり。3月に世界王座を奪取したスリヤン戦は、右拳をグルグル回す幻惑殺法からの右ストレートでダウンを奪い、ベルトをつかんだ。自由な発想から生まれる無限のファイトスタイル。

 無敗の挑戦者・赤穂は強烈な破壊力を持つ左フックを武器に持つハードパンチャー。一発いいのをもらえば失神KO負けの最悪シナリオも考えられる。しかし、佐藤ときたら、ウヘヘと笑いながら縁起でもないことを言った。

 「ボクね、心の中にどこか破滅願望みたいなものがあるんです。今までダウンしたことはないけど、バターンと派手に倒されて、みんなに心配されたいとか。でも、そこから起死回生の逆襲でKO勝ちというのもアリかなと」

 恐れを知らないスケーター佐藤が思い描く、スリリングな結末。真っ赤なハイソックスの佐藤は、どんなウルトラCを見せてくれるのだろうか。 (竹下陽二)

 

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