衆院選:公示、各国の反応 中国「右傾化」を懸念 領土問題けん制

毎日新聞 2012年12月05日 東京朝刊

 4日公示された衆院選に対し、沖縄県・尖閣諸島国有化をめぐり日本との関係が複雑化する中国などが高い関心を示す一方、ドイツなどでは各党の原発政策に注目が集まるなど、各国でさまざまな反応が見られた。

 国営の中国中央テレビ(CCTV)が4日、衆院選公示を特集して伝えるなど、中国の主要メディアが高い関心を示している。いずれの政党が次期政権を担ったとしても、日本が尖閣諸島をめぐる問題で譲歩するとの期待感は薄く、警戒する論調が目立っている。

 CCTVは4日、「自民党と、(自民党に政策が近づいた)『第2自民党』に成り下がった民主党、自民党より右の日本維新の会の三つが右寄り政策を競い合っている」と語る日本の野党政治家の声を放送し、「政党が多く有権者は戸惑っている」と伝えた。

 国営新華社通信は3日、「自衛隊の国防軍への昇格や、改憲など、多くの首相候補者が強硬な発言を繰り返している」と論評し、「全体の右傾化は、日本の外交や未来を束縛することになる」と危機感を示した。また共産党機関紙「人民日報」も3日付で「釣魚島(尖閣諸島の中国名)問題で火遊びをするな」と題した論評を掲載し、日本の主要政党をけん制した。【北京・工藤哲】

 ◇米国 「安定政権望めず」

 同盟国である日本の政治的安定を望んできた米国では、衆院選後も日本に安定した政権は誕生しないとの見通しが大勢で、公示前から悲観的な声が目立つ。

 ワシントンの有識者の多くは、各種の世論調査から、選挙後は自民党中心の政権が誕生することを前提に議論している。保守系シンクタンク、アメリカン・エンタープライズ研究所のオースリン日本部長は米紙ウォールストリート・ジャーナルに3日、「安倍(晋三自民党総裁)氏に日本の再生はできない」とのコラムを掲載。「バラバラになった政治体制では、いかなる政策を進めることも困難だろう」と指摘した。

 一方、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への参加問題では、オバマ政権だけではなく保守系論客からも日本の参加を望む声が出ているが、選挙後も早期の参加表明はできず、日本の存在感が低下するとの悲観論が支配的だ。

 また「脱原発」が衆院選で争点化されていることにも懸念が広がっている。保守系シンクタンクのヘリテージ財団では、選挙期間中の5日、日本の脱原発政策に関するシンポジウムを開催する予定だ。【ワシントン古本陽荘】

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