世間には思いがけない物をコレクションする人がいる。熱心な号外マニアもいて10月29日発行「宮崎牛連続日本一の号外が欲しい」と県外から読者局に問い合わせがあった。
例えば、本日付朝刊の宮日紙齢は「第25848号」だが、号外は紙齢に含まず、突発的な事件、事故、大災害や五輪の金メダル獲得などスポーツの結果などを、日中に印刷して街頭で無料配布する。宮崎市の場合は、デパートや宮崎駅前など通行人の多い所で配る。
黒ベタに白抜きの大見出しが躍り、首相辞任、有名実業家逮捕、北朝鮮ミサイル発射など人の記憶に残るもの、時代を反映する出来事を伝えるのが号外の特長。発行枚数がごく限られているから希少性もマニアにとって魅力に違いない。
「宮崎牛連続日本一」は、人ではなく、牛が主役のニュース号外で、異色の内容だった。県外からも問い合わせがあったのは、「牛の話が号外になるとは!」という感嘆符付きの新鮮さがあったからだ。ただし本当の主役は、牛を育てた畜産農家のみなさんである。
号外に続いて、今週月曜付はラッピングという特別紙面。インパクトの強さは、号外にひけを取らない。本欄の上に、五輪メダリストによるパレードに負けない誇らしい顔が並んだ。全国和牛能力共進会の出品農家が目抜き通りを走った。
トラックから手を振る姿が涙ににじんだ。牛たちの登場はなかったが、畜産県の地方紙として、熱い思いを内外に発信できたと自負する。農業のことなど頭にない政党、政治家に先の号外とTPP反対の手紙を添えて送りたい紙面である。
このほかの記事
- 終活(12月12日)
- ビートルズ結成50年(12月 9日)
- 山中教授とiPS(12月 8日)
- 年輪としなやかさ(12月 7日)
- 井上康生監督(12月 6日)
- 走る告知と就活戦線(12月 5日)
- 笹子トンネル崩落事故(12月 4日)
- ミス・ビードル号(12月 3日)
- 覚兼の交際術(12月 2日)
- 電気の味(12月 1日)
- 貧乏とせんべい(11月30日)
- いじめ本県1477件(11月29日)
- 嘉田知事の「参戦」(11月28日)
- 指の力(11月27日)
- 宮崎県クイズ(11月26日)
- 費用対効果か夢か(11月25日)
- 号外マニア(11月24日)
- 思いを読む新聞(11月23日)
- 枝葉末節(11月22日)
- おはぎとぼたもち、政治家と政治屋(11月21日)