【プレイバック芸能スキャンダル史】
冤罪だった杉浦太陽 恐喝容疑での逮捕
【芸能】
辻希美の夫でイクメンタレントとして活躍している杉浦太陽が、02年に恐喝容疑で逮捕される事件があった。当時、主演していた「ウルトラマンコスモス」は打ち切られたが、実は冤罪(えんざい)だった。
6月14日朝7時、都内の杉浦(当時21)の自宅に大阪府警の警官6人が現れた。ドアをガンガン叩き、「警察だ」と叫ぶ。杉浦がドアを開けると逮捕状が示された。事情がわからず呆然とする杉浦は、「詳しい話は大阪の守口署で聴こう」という警察に問答無用で連れ出され、そのまま新幹線に乗せられた。
大阪駅からは手錠をはめられ、さらに署では腰縄がつけられ、取り調べが始まった。逮捕容疑となった事件発生時は未成年だったとして名前は伏せられたが、「ウルトラマン俳優逮捕される」というニュースがすぐに報じられた。
容疑だが、2000年9月に、弟の友人Aが弟の財布から4万円を盗んだことに腹を立て、大阪府守口市で顔などを殴って全治3週間のケガを負わせ、60万円を払うように脅し、逮捕前までに45万円を振り込ませたというものだった。
手錠と腰縄で、連日の取り調べが始まった。これで「ウルトラマンコスモス」は急きょ打ち切りになった。
しかし、何かがおかしい。「調べていくと杉浦の周辺からは『礼儀正しい』『親切』といった評判ばかりで、とても恐喝をするタイプには思えなかった」(芸能記者)
知人やファンによって「太陽君を守る会」というHPもできた。いろいろな情報が集まるだけでなく、宅麻伸や岩城滉一、梨田昌孝近鉄監督(当時)など著名人もHPの賛同者となり、応援を呼びかける。
太平サブローも娘が用水路に落ちた時、その場に居合わせた杉浦に飛び込んで助けてもらったという感謝の言葉とともに嘆願書を書きしたため、公開した。
事態が変わったのは同27日。告訴状を提出していたAが「告訴はウソだった」という陳述書を提出したのだ。事件が起きたとされる日の杉浦のアリバイも成立した。
真相だが、Aのケガは別人から受けたもの。Aは親にケガについて問い詰められ、真犯人の名を出すと報復が怖いと思ったため、とっさに「杉浦にやられた」と言ってしまったのだ。杉浦への45万円の振り込みは以前から杉浦や弟の金を盗んでいたAが杉浦に返金を求められ、渋々返していたのだという。それがAの親や警察による「杉浦に恐喝された」という話になってしまった。27日夕方には「翌日釈放する」との連絡が弁護士にも入った。事務所側も釈放の発表の準備に入り、テレビも「誤認逮捕」と報じ始める。
だが、杉浦はさらに5日間勾留される。なぜか守口署だけではなく、大阪府警本部まで取り調べに乗り出したのだ。杉浦とAの取り調べがまた始まった。結局、釈放されたのは7月2日。杉浦は「悪夢の19日間でした」と釈放後、報道陣に語った。
◇2002年6月 3日、中山美穂が作家・辻仁成と結婚。13日、闘病生活を送っていた村田英雄が合併症の肺炎で死去。享年73。15日、室田日出男が肺がんで死去。享年64。24日、東京都千代田区で全国初の歩きたばこ禁止条例が成立。