北朝鮮ミサイル:年内発射に強い意思

毎日新聞 2012年12月11日 21時01分(最終更新 12月11日 21時26分)

 【北京・米村耕一】北朝鮮が事実上の長距離弾道ミサイル本体を発射台から下ろし修理を開始したのは、何としても年内に打ち上げるという意思の表れだ。技術的欠陥が見つかったとして打ち上げ日程延長を発表しながら発射を急ぐ理由は乏しい。今回の実験に国内政治的な意味合いが強いことを改めて示しているようだ。

 中朝貿易関係者らによると、北朝鮮は10日から金正日(キム・ジョンイル)総書記の死去から1年を迎えての追悼期間に入っている。酒を飲んだり、宴会を開いたりしないよう治安関係者らから注意を受けた住民もいるという。朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は連日、金総書記の功績などをたたえる追悼紙面を展開している。

 北朝鮮は今年を「強盛国家の門を開く」年にすることを目標に掲げてきた。特に金総書記が生前から準備を進めてきた長距離弾道ミサイル発射実験は、金総書記の「遺訓」と位置づけられており、今年中の打ち上げ成功が必須とされる原因になっている。また、ミサイル開発は同時に、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の功績とも位置づけられてきた。朝鮮中央テレビは今年1月、09年4月の長距離弾道ミサイル発射実験時に、金総書記と共に管制センターを訪れて関係者をねぎらう金第1書記の姿を報じている。

 一方、北朝鮮の経済関係者らの間には、ミサイル発射実験によって国際的孤立が深まり、経済的な不利益を受けることへの懸念もあるようだ。今月上旬に中国遼寧省で中国人貿易商と商談した北朝鮮の経済関係者は「(ミサイル発射実験に対して)中国政府がどういう態度に出るか心配だ」と語ったという。北朝鮮に対して中国が最も強い影響力を持っているのは間違いない。

 中国外務省の洪磊(こうらい)副報道局長は、11日の定例記者会見で発射台からのミサイル本体撤去について聞かれ、「事態に重大な注意を払っている。中国側は北朝鮮を含む関係各国との意思疎通を維持している」と述べた。

 北朝鮮は「第1段目の制御エンジン系統に技術的欠陥が見つかった」として打ち上げ期間を29日まで延長。韓国の聯合ニュースは、1段目には旧ソ連製ミサイルをもとに設計した中距離弾道ミサイル「ムスダン」のエンジンを四つ束ねた装置が搭載されていると伝えている。

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