強い日差しの中、両手に大きな買い物袋を提げ足を引きずり休み休み歩く高齢の女性を見かけ、つい車を止め声をかけた。「お乗りになりませんか」「いえ、大丈夫です」。警戒されたか、はたまた迷惑はかけられないと辞退されたか。聞けば8月「ピーコックストア」が撤退したので「豊ヶ丘から4キロ先の生協まで買い物に行く」のだと言う。昭和51年から多摩市・貝取商店街で営業してきたピーコックストアは大型量販店の進出が相次ぐ中、歩いて行ける団地の中のスーパーとして、住民には重宝な店だった。ピーコック東京本社では「生協の出店に伴う減収が撤退を決定づけた」と話す。先の女性は夫が高齢で免許を返納し、自転車も危険なので今はバスで多摩センターまで出るか、徒歩で生協まで行くのだと言う。貝取・豊ヶ丘商店街では個人商店が奮闘しているが、核になるスーパーが撤退し閑古鳥が鳴く。また同市・聖ヶ丘でも集客減から8月末日の閉店を決めていた「いなげや」が、地元やURの要請を受け来年3月末まで営業を延ばしたが、撤退後の後継の店舗はまだ交渉中と、UR東日本支社。八王子・元八のホーメストタウン。中心部にスーパーや診療所が出来ると人気の分譲地だったが、そこに墓地が造られることに。高齢化が進む住民にはスーパーは近くに何としても欲しい。
身近な商店が消失し車を持たない高齢者などが生活必需品の購入に難渋する「買物難民」。ネットスーパーや宅配サービスも普及して来ているが、高齢者の中にはそのサービスがある事、利用の仕方も知らない人が多い。国や経産省は自治体と企業の官民連携を促す指針をまとめるというが、地元商店はこれを好機と捉え、入居の決まらないスーパーを協働で運営するなど、新たな連携サービスの形を作ることに本腰をいれてはどうだろう。 101001号掲載
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