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衛星データで世界のCO2濃度を分析12月11日 5時0分
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温室効果ガスの観測衛星「いぶき」が観測したデータを基に、日本の研究グループが1年間で世界の二酸化炭素の濃度がどのように変化するのか解明するため世界で初めてシミュレーションを行い、将来の気候変動の予測に役立てたいとしています。
これは国立環境研究所がJAXA=宇宙航空研究開発機構などと共同で行ったものです。
研究グループでは、「いぶき」が観測した赤外線のデータなどを基に世界各国の2万3000の地点の二酸化炭素の濃度を推定し、地上で観測したデータなども加えて、平成22年5月までの1年間にわたって世界中の二酸化炭素の濃度がどのように変化するのか解明するため、シミュレーションを行いました。
その結果、北半球では夏場には高い緯度の地帯の森林で二酸化炭素の吸収量が多いことから、濃度が低いことを示す青色の分布が広がっていくことが分かりました。
一方で、森林の光合成が弱まる冬場には、二酸化炭素の排出量が吸収量を上回るため、濃度が高いことを示す赤色の分布が広がることが分かりました。
研究グループによりますと、二酸化炭素の濃度を人工衛星の観測データを基にシミュレーションしたのは、世界でも初めてだということです。
国立環境研究所は「今後は観測データの精度を高め、将来の気候変動を正確に予測するために分析結果を活用したい」と話しています。
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