水俣病:救済特措法申請、6万5151人 当初見込みの2倍超
毎日新聞 2012年08月31日 東京朝刊
熊本、鹿児島、新潟の3県は30日、先月末に申請期限を迎えた水俣病被害者救済特別措置法(特措法)に基づく救済手続きの申請者数が最終的に6万5151人に上ったと発表した。村山富市内閣の水俣病政治決着時(95年)の申請者1万4753人の4倍超で、国の当初見込み約3万人の2倍超。3県は判定作業を進め、来年4月ごろに救済対象者を明らかにする方針。
同法は、水俣病関西訴訟最高裁判決(04年)で国の認定基準より幅広い基準の採用で、認定申請者が急増したのを背景に09年に制定された。10年5月から受け付けていた。
期限が公表された2月以降、申請が急増。累計は熊本4万2961人▽鹿児島2万82人▽新潟2108人。
特措法の申請期限を巡っては、患者団体が「差別や偏見などを理由に申請していない潜在被害者が多くいる」と反発。救済対象から漏れた130人(22日現在、熊本64人、鹿児島66人)が異議申し立てをしている。
熊本県水俣病保健課の田中義人課長は30日、記者会見し、申請増について「政治決着時の申請期間は約半年間だったが、今回は受付期間が長かったからでは」と述べた。【澤本麻里子】