「帰ってきたフィギュアの女王」が、1年8カ月というブランクを感じさせない、変わらぬテクニックを披露した。
2010年バンクーバー五輪フィギュア女子シングル金メダリストのキム・ヨナ(22)が、10日にドイツ・ドルトムントで行われたNRW(ノルトライン=ウェストファーレン)杯女子シングルのフリーで129.34点(技術点60.82点、プログラム構成点69.52点、減点1点)をマークし、前日のショートプログラム(SP)で出した72.27点と合わせ、合計201.61点で優勝した。200点を超えたのはバンクーバー五輪以来で、個人としては通算4回目。
キム・ヨナの今回の点数は公式記録には残らない。国際スケート連盟(ISU)が公式記録として認めている点数は、冬季五輪、世界選手権、欧州選手権、4大陸選手権、グランプリ(GP)、国別対抗戦の点数だけだからだ。2012-13年シーズンに入ってISU公認大会で200点を超えた選手はいない。浅田真央(22)が先日のGPファイナルで優勝した際の196.80点が今季最高点だ。
だがキム・ヨナは、記録の公認・非公認にかかわらず、今大会で多くのものを得た。まず来年3月に行われる世界選手権(カナダ・オンタリオ州ロンドン)への出場資格となる最低技術点(SP28点、フリー48点)を軽くクリアした。今すぐ世界選手権に出場しても優勝できるコンディションだということも確認できた。
キム・ヨナがフリーで見せた「レミゼラブル」は、07-08年シーズンに演技した「ミス・サイゴン」を思い起こさせた。両作品とも世界的に有名なミュージカルで、クロード=ミシェル・シェーンベルクの作曲だ。7年前からキム・ヨナの振り付けを手掛けている振付師のデビッド・ウィルソン氏(カナダ)の趣向が反映されている。強い感じの音楽で演技が始まりながら、叙情的なムードに変わり、再び強烈なラストを迎える構成だ。