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偽札製造実態迫る企画展、旧陸軍登戸研究所「5号棟」新資料や現物/川崎

2012年12月10日

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企画展の期間中(~12月22日、2月20日~3月2日)は、通常レプリカでの展示となっている偽札の「現物」を見ることができる=多摩区の明治大学平和教育登戸研究所資料館

企画展の期間中(~12月22日、2月20日~3月2日)は、通常レプリカでの展示となっている偽札の「現物」を見ることができる=多摩区の明治大学平和教育登戸研究所資料館

 現在の明治大学生田キャンパス(川崎市多摩区)敷地内にあった旧陸軍登戸研究所の一つ「5号棟」。戦時中、偽札を製造し謀略戦の核心部分を担ったとされる同棟について、実態に迫る企画展「キャンパスに残っていた偽札印刷工場」が同大平和教育登戸研究所資料館で開かれている。これまで、判然としなかった5号棟の役割。偽札の印刷工場だった可能性を示す新たな資料とともに、偽札の現物も展示される。

 同研究所には、全国から科学者や技術者が大勢動員され、生物化学兵器、風船爆弾とともに、偽札の製造が秘密裏に進められた。5号棟は、1939年前後に建設。約600平方メートルの平屋には6部屋あり、戦時中は中国経済の混乱を狙い約40億円分(当時)の偽札が刷られたとされる。

 戦後、5号棟は同大農学部の実験室・倉庫として使用された。老朽化などを受け、昨年2月下旬から3月下旬にかけて解体されたのを機に、同資料館は調査を開始した。

 基礎部分の断面を調べると、コンクリートの厚みが通常の建物の倍以上に当たる400~820ミリあることが判明。大学施設として改装を重ねた部屋の間取りも、当初はずっと広かったことが分かった。印刷機製造業者の資料からは、大型の機器が使われていたことも特定できた。

 数々の資料や調査から、大型で重量のある印刷機を設置することが可能な建物と推測できるという。偽札製造に携わった関係者の証言と照らし合わせ、これまで「倉庫または印刷工場」とされていた5号棟の役割が、「印刷工場」に絞られる可能性が高まった。

 会場には、解体前の5号棟の様子を撮影した写真や、新たに見つかった50年ごろの図面、改装工事の経過を紹介するパネルなどが並ぶ。12月22日までと、来年2月20日から企画展最終日の3月2日までの間、偽札の現物も展示される。

 午前10時から午後4時まで。入場無料。日~火曜(団体で事前予約の場合は日曜開館)、12月23日~1月8日休館。問い合わせは、同資料館電話044(934)7993。

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