hiroudio
オーディオ機器・オーディオアクセサリー・ルームアコースティックの試聴記を中心に、日々思ったことなどを書いていきます。
一体型のデスクトップPCやノートPCに内蔵されているスリムドライブは、一様にして音の元気がなく明瞭度が低いという点が共通している。オーディオとしてのリッピングには、しっかりとした5インチのドライブを用意してあげたい。
① PLEXTOR Premium2
高価なCD-R専用機(DVD非対応)として、リッピングを語るうえで必ず名前の挙がる機種。生産完了のためオークションで更に高値で取引されていることもしばしば。その名のとおりプレミア付だ。
ATAPIのため、ノートPCと接続する場合は、何らかの変換デバイスが必要となる。
ここではFirewire400、USB、SATAへの変換を比較し、圧倒的にSATAの鮮度感が高かった。
音質はふくよかさがあり、締めつけた様な窮屈感がなく、適度なゆるさがある。ウォームな音調で、中低域に量感の豊かさがある。しかしローエンドの伸びはもうひとつ。高域の一部に明るいキャラクターがあるのも特徴。解像度は控えめで、音像は大きめに定位する。全体的に音色の個性があるので、好みがわかれるドライブだろう。ニュートラル志向ではなく、味付けが欲しい場合に適している。
② Pioneer DVR-S17J
PUREREAD2対応機種。PUREREADとはご存じ、正確に読み出せるまで手を変え品を変えリトライリードする機能。リッピングソフトで類似の機能を装備しているものはあるが、ソフトウェア制御とファームウェア制御とでは大きな違いがある。
さて、ノートPCとSATAで無変換接続。3機種中群を抜いて高解像度。芯があり、超高速に立ち上がる。1音1音の分離がきわめて良好なため、他の音との混濁がなく秀逸。たとえばクローズハイハットの閉じ具合、声帯の震え方など、本来は「ドラムス」や「声の調子」と済まされる部分が、顕微鏡で分析するように聴こえる。ベースやバスドラなど凄まじいダンピングをみせ、本来ソースに含まれていない余韻や膨らみというものは一切見せない。忠実な再現力。それゆえ擬似的な広がりを演出することもなく、ソースによってはデッドで窮屈に感じる部分もある。神経質になる嫌いもあるが、ネットワークオーディオの最上流に当たるので、僕はこのドライブをリファレンスとしている。
③Pioneer DVR-X162J
DVR-S16JをUSBドライブケースに入れたモデル。
DVR-S17Jに近いものがあるが、USB変換の弊害が出ていることは明白で、低域のダンピングと切れ込みは成りを潜めて穏やかになる。独特な艶を感じる高域も特徴的だ。PCがSATA接続可能なら、迷わずDVR-S17Jを選択したい。
当機に限らず外付型は、内蔵型を単にドライブケースに収納しただけの物がほとんどだ。つまり、ケースの回路によってSATA→USB変換が行われており、ドライブからSATAでPCへ直結するのと比べると、鮮度感の減衰は避けられない。
Author:ヒロ