チェルシーＶ宣言　ＧＫチェフ「勝ちたい」

　トヨタ・クラブワールドカップ（Ｗ杯）に欧州王者として大会初出場のチェルシー（イングランド）が１０日、横浜市内で来日記者会見を開いた。出席したチェコ代表ＧＫペトル・チェフ（３０）は移籍８シーズン目の昨季に初の欧州王者に輝き、「ここ（クラブＷ杯）まで来るのに８年かかった。勝ちたい」とＶ宣言。チェルシーは１３日、横浜国際総合競技場で行われる準決勝で、北中米カリブ海代表のモンテレイ（メキシコ）と対戦する。

　穏やかな口調で、チェフは語り出した。今大会の意義を聞かれると「この大会に参加できてうれしい。何より欧州チャンピオンズ・リーグ（ＣＬ）を勝たないといけない。それは生易しいことではない。ここまで８年かかった。チャンスを最大限に生かし、監督が言ったようにぜひ勝ちたい」と意気込んだ。

　２００４〜０５年シーズンにレンヌ（フランス）からチェルシーに移籍し、モウリーニョ（現レアル・マドリード監督）、フェリペ（現ブラジル代表監督）ら世界的な指導者の下で、正ＧＫの座を守ってきた。０６年１０月、選手生命の危機に見舞われた。試合中に相手選手と激突し、頭蓋骨陥没骨折の重傷で一時は意識不明に。ラグビーのヘッドギア装着を条件に約３カ月後に復帰した。そんな困難を乗り越え、今年５月の欧州ＣＬ決勝でバイエルン・ミュンヘン（ドイツ）をＰＫ戦の末に破り、この大舞台にやってきた。

　その決勝では圧倒的な不利を伝えられた中で好守備を見せ、チームの勝利に貢献した。だからこそ、簡単に王者になれるとは思っていない。この日、ブラジルメディアからは南米代表コリンチャンス（ブラジル）の印象を聞かれたチェフは「その試合はまだずっと先の話だ。モンテレイは日本に早く来て、前日もいい試合をした。アドバンテージがある。われわれは一歩一歩着実に進むことが大事だ」。１９６センチの不屈のＧＫが、まずはモンテレイを黙らせる。　（関陽一郎）