中畑監督　かあちゃんありがとう　仁美さん葬儀で誓った来季浮上

　ＤｅＮＡの中畑清監督（５８）の妻・仁美さんの葬儀が１０日、東京・青山葬儀所で営まれ、元巨人監督の長嶋茂雄氏、加藤良三コミッショナーら約１８００人が故人との別れを惜しんだ。仁美さんは子宮頸（けい）がんのため５日に５９歳で死去。喪主の中畑監督は出棺に先立ち「野球人・中畑清が大好きだったかあちゃんに来年は『おとうさん、よく頑張ったね』と言ってもらえるよう命懸けで頑張ります」と涙ながらに、５年連続最下位からの浮上を誓った。

　葬儀には、最愛の妻を送る思いを込めた。３年前のパーティーの際に撮影した遺影は、白とピンクのバラやカーネーション、トルコキキョウ、スイートピーなど数千本の花で囲まれた。中畑監督が、知人の業者に「遺影が浮かび上がるように飾ってください」と依頼。良き妻であり、母であった仁美さんの存在の大きさを表した。棺には、ハンドボールが入れられた。日本女子体育大ハンドボール部時代の仲間からのラストパスだ。

　喪主あいさつに立った中畑監督は冒頭からむせび泣いた。「私は中畑仁美を女房にできたことを誇りに思います。最後にこんなに多くの方に見送られて、かあちゃんは幸せもの。きょうはみなさんにありがとうと言ってもらえれば最高です」と唱和を呼び掛け「かあちゃん、ひとみ、ありがとう」との絶叫に応え、弔問客が「ありがとう」と声をそろえると泣き崩れた。仁美さんは荼毘（だび）に付されて夕方、調布市の自宅に帰った。１９７６年１２月１１日に品川で挙式してから３６年。初めて１人で結婚記念日を迎える野球人・中畑清の新たな挑戦が始まる。　（後藤慎一）