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山本地区の住民ががれき置き場を視察
(2012年11月06日 19時08分)
富山市の最終処分場周辺の住民らが、6日岩手県山田町を訪れ、がれきの仮置き場や選別・破砕施設を視察しました。
今回の視察は、富山地区広域圏の焼却灰の最終処分場がある富山市の山本地区と周辺地区の住民から「被災地のがれきの状況を実際に確かめたい」との要望を受けて、富山市が実施したものです。
視察には、山本地区から自治会長をはじめ希望した住民21人と、周辺地区から住民11人のあわせて32人が参加しました。
住民たちは、受け入れが決まった場合に富山県に搬入される木くずなど可燃物の仮置き場を訪れ、がれきの山の近くの空間放射線量を確認しました。
測定した空間放射線量は、毎時0.05マイクロシーベルト。
この値は、今年4月に富山地区広域クリーンセンター内で計測した毎時0.08マイクロシーベルトよりも低い値でした。
また、住民たちは地元に戻ってから視察の結果を報告するために許可を得て、木くずなどのがれきを採取しました。
環境省によりますと、岩手県山田町に残っている震災がれきの総量は、推計49万9000トンにのぼります。
そのうち県内で受け入れ予定の可燃物は、わずか2パーセントの1万800トンで、総量の7割ほどを占めているのは、広域処理の対象ではない不燃物です。
震災がれきの受け入れをめぐり、富山地区広域圏では、最終処分場周辺の住民の理解が得られることを前提に震災がれきの試験焼却を検討していますが、処分場がある山本地区の住民のおよそ8割が反対の署名をするなど、理解が得られているとは言い難い状況です。
一方、富山市の森市長は、先日の会見で「住民の視察を見守る」と住民への一定の配慮を示す一方、「署名の多寡によって受け入れの判断が動くことはない」との見解を示しています。
山本地区では、今回の視察を踏まえ、住民からアンケートを取るなどして、がれきの受け入れについて一定の方向性を示すことにしています。
今回の視察には、がれきの受け入れに反対する署名活動で中心的な役割を担った池多(いけだ)小学校の保護者たちが参加していません。
8割にのぼる反対署名を提出した住民と今回の視察に参加した住民がしっかりと議論を重ねたうえで、結論を導き出す必要があります。
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