日本原子力発電の敦賀原発。中央の八角柱の建物が2号機=2日、福井県敦賀市
原子炉直下に活断層がある可能性が高いと認定された日本原子力発電敦賀原発(福井県)をめぐり、30年以上前の2号機建設時に行われた国による安全審査で、今回問題となった2号機直下の破砕帯(断層)や敷地内の活断層を原電が追加調査していたことが11日、分かった。原子力規制委員会の現地調査団メンバーで、活断層が専門の鈴木康弘名古屋大教授が明らかにした。
今回、調査団が問題視した破砕帯や活断層を、国や原電が当時から認識していた実態が浮き彫りとなった。審査では危険と認識されず、「問題はない」とする原電の調査結果が認められた。
鈴木教授は1980年8月に原電が旧通産省に提出の書類に注目。当時、安全審査を担当の専門家らの会合「顧問会」の意を受けて、原電が実施したとみられる追加調査の結果が盛り込まれていた。
敷地内を縦断する活断層「浦底―柳ケ瀬山断層帯(浦底断層)」の試掘溝調査のほか、今回の「活断層の疑いが強い」と評価した、2号機直下を走るD―1破砕帯(当時はH―6a破砕帯)も、原電が調査していたことが判明。
原電は地中を掘って観察した結果として、D―1について「黄褐色や灰白色粘土を挟む」と記載。粘土は、過去の断層運動を示す有力な証拠の一つとされ、当時、D―1の活動性を把握できた可能性がある。
(2012年12月11日)
東京電力福島第1原発事故を受け、政府や被ばく医療の専門機関が、放射線の健康への影響などについて市民の相談を受け付ける電話窓口を開設している。
経済産業省原子力安全・保安院は、原発事故の全般的な状況などの問い合わせに毎日24時間対応する。電話番号は03(3501)1505。
文部科学省は健康相談ホットラインを開設。放射線や放射線の影響に詳しい相談員が応対する。毎日午前9時から午後9時までで、電話番号フリーダイヤル(0120)755199。
放射線医学総合研究所は、被ばく医療や、放射性物質が体に付着した場合の除染方法などを解説する。毎日午前9時から午後9時までで、電話番号043(290)4003(11日から)。
首相官邸のホームページには原発事故に関連する情報がまとめて掲載されている。