福島のニュース
JFL昇格・福島ユナイテッド 強い思い胸に快進撃続ける
 | JFL昇格を果たした福島U。天皇杯4回戦に向け今季の練習は続く=6日、郡山市西部サッカー場サブグラウンド |
|
日本フットボールリーグ(JFL)昇格を果たした東北社会人リーグ1部、福島ユナイテッド(福島U)が、天皇杯全日本選手権でも快進撃を続けている。昨季は福島第1原発事故による影響で、選手の退団が相次ぐなどチームは存続の危機に直面した。今季は、苦難を乗り越えて悲願を達成。天皇杯では、Jリーグの格上チームを次々と撃破し、15日にはJ2千葉との4回戦に臨む。 昨年、リーグ戦直前に起こった原発事故でチームは一時活動を休止。原発への不安から、7人がチームを去った。東北社会人リーグは優勝したものの、JFL昇格が懸かった全国地域リーグ決勝大会は予選リーグで敗退した。 今季はJ2や社会人から11人が加入。ただ、原発事故の影響はいまだに大きく、入団を働き掛けた約10人には断られたという。時崎悠監督は「来てくれたのは強い思いを持った選手ばかり」と振り返る。 J2時代の仙台で活躍したFW小林康剛や、仙台西高出身でソニー仙台に所属したことのあるGK根本翔らのメンバーに、新戦力が加入して総合力がアップ。守備ラインを高く保ち、ショートカウンターを仕掛ける戦術も浸透した。今季は先発メンバーを固定せず、選手間の競争を促したことも奏功。全国地域リーグ決勝大会で2位に入りJFL参入を決めた。 J2栃木から今季加入したMF鴨志田誉は「福島が苦しんでいるからこそ力になれると思った。何より自分を必要としてくれたことがうれしかった」と話す。同大会では全6試合に先発、準優勝の原動力となった。 除染作業が続きグラウンドの確保が思うようにいかず白石市、米沢市など福島県外に練習場所を求めることもある。厳しい状況が続くが、天皇杯ではJ2覇者の甲府、劇的な残留を決めたJ1新潟を破った。 GKの内藤友康主将は「震災後の大変な状況でも応援してくれたサポーターのためにも果敢にチャレンジしたい」と誓う。 (剣持雄治)
2012年12月11日火曜日
|
|