朝日新聞社は8、9の両日、16日投開票の東京都知事選について電話調査を実施し、取材による情報も合わせて情勢を探った。前都副知事の猪瀬直樹氏(66)がリードし、他の候補に水をあけている。
投票態度を明らかにした人を分析すると、猪瀬氏は支持を受ける自民、公明、日本維新の会の各支持層の大半を固め、無党派層の7割の支持も得ている。自主投票となった民主支持層の7割も取り込んでいる。
これに対し、日本弁護士連合会前会長の宇都宮健児氏(66)は日本未来の党、共産、社民の支持を受け、共産支持層の大部分を固めたが、勢いがない。主要政党から支援を受けない前神奈川県知事の松沢成文氏(54)は無党派層への浸透が1割にとどまり、苦戦している。元科学技術相の笹川尭氏(77)、発明家の中松義郎氏(84)らも厳しい。
ただ、投票態度を明らかにしていない人が4割おり、情勢は変わる可能性もある。
同時に実施した世論調査で石原慎太郎前都知事の4期13年余りの都政評価を4択で聞くと、「大いに評価する」14%、「ある程度評価する」59%、「あまり評価しない」19%、「まったく評価しない」6%。都が進める2020年の夏季五輪招致については、賛成60%、反対27%だった。
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〈調査方法〉 8、9の両日、コンピューターで無作為に作成した番号に調査員が電話をかける「朝日RDD」方式で、東京都内の有権者を対象に調査した。世帯用と判明した番号は3523件、有効回答は2068人。回答率59%。