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J2上位を快走!湘南・チョウ監督(5月9日)
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【競馬・ボート】ニホンピロアワーズが優勝2012年12月3日 紙面から 「第13回ジャパンカップダート」(GI・2日・阪神・ダート1800メートル)は4番手を追走した6番人気のニホンピロアワーズが、直線で力強く抜け出してレースレコードの1分48秒8のタイムで快勝、GI初勝利を飾った。3馬身1/2差の2着は3番人気のワンダーアキュート、さらに1/2馬身差の3着は9番人気のホッコータルマエ。1番人気のローマンレジェンドは4着、3連覇を目指したトランセンドは16着に敗れた。酒井学騎手(32)、大橋勇樹調教師(51)はともにGI初勝利。 デビュー15年目の苦労人が、ついにGIジョッキーの称号を手にした。32歳の酒井学が、11回目の挑戦にしてGI初制覇。ニホンピロアワーズの鞍上で、スタンドに向けて特大のガッツポーズを繰り出した。 「ただ、うれしいという言葉しかありません。まだ実感はありませんけど、みんなから『おめでとう』と声をかけてもらうと身に染みます」と万感の思いがこみ上げ、言葉を詰まらせた。 1分48秒8のレースレコードで、2着ワンダーアキュートに3・1/2馬身差。6番人気馬とは思えないほど、強さが際立っていた。道中は4番手の外をスムーズに追走。直線に向いても、手応えが1頭だけ違った。 はやる心を抑えて満を持して追い出したのは、残り200メートルを切ってから。ターフビジョンで後続との差を確認すると、もう勝利を確信した。「周りに馬がいなかった。こんな勝ち方をするとは驚きました」。上がりも最速の36秒0では後続の出番などない。栄光の瞬間は静寂の中で迎えた。 酒井にとって“ニホンピロ”でのGI勝利は格別の味だった。年間1勝に終わった06年。自宅にあったDVDやCDを売らなければならないほど食うに困って廃業の危機に追い込まれていたところを救われたのが12月に小林オーナーが所有するニホンピロコナユキで挙げた勝利だった。 「オーナーには返しても返しきれない、感謝してもしきれない恩がありますから、ひとしおです」。その後も小倉記念を制したニホンピロレガーロなど“主戦”として指名してくれた恩人に、どうしてもGIをプレゼントしたかった。 初GIを手に入れたアワーズは、これからダート王としての責務を負うことになる。酒井の責任も重大だが「1回はつぶれかけたジョッキー。こういう立場の馬に騎乗すること自体初めてですから。目標とされるでしょうけど、これからも楽しみです」。酒井にとって“OURS”(私たちの)時代は、まだ幕を開けたばかりだ。(黒柳勝博)
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