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【競馬・ボート】

岩田泣いた!! カナロア スプリント世界一

2012年12月10日 紙面から

 カナロア世界一! 「香港国際競走」(GI・香港シャティン)が9日行われ、「香港スプリント」(芝1200メートル)で岩田騎乗のロードカナロア(牡4歳、栗東・安田)が2馬身半差をつけて快勝。凱旋門賞と並んで世界最高レベルとされ、日本馬には“鬼門”と言われたレースを初めて制した。日本馬の海外GI勝利は今年4月のQエリザベス2世C(香港)のルーラーシップ以来で20度目(17頭目)。「香港ヴァーズ」(芝2400メートル)のジャガーメイル(牡8歳、美浦・堀)も2着と善戦した。

 日本から駆けつけたファンから声援が送られ、香港のファンからも温かい拍手が広がる。表彰式で君が代を聴く岩田の頬を、ひと筋の涙が流れた。国と国とのいさかいなどターフの上では関係ない。シャティンで、これまで14頭の日本馬の挑戦の前に立ちふさがっていた扉が、ロードカナロアの強烈な末脚の勢いについに開かれたのだ。歴史的な瞬間に、競馬ファンの誰もが感動していた。

 岩田も安田調教師も、ともに「勝ちに来た」という決意で臨んだスプリント世界一決定戦。レースはカレンチャンが出遅れるという波乱含みで始まった。しかし、ロードカナロアと岩田は少しも慌てない。あっさり3番手の外を確保するときっちり折り合い、4コーナーを回ると馬なりのまま外へ。直線でじわじわと伸び、残り150メートルで先頭に並びかけるとゴール前ではためていた力を解き放つように差を広げてゴール。岩田はガッツポーズの後、ウイニングランでスタンドに向け1着を誇示するかのように1本の指を何度も突き出した。

 「スプリンターズSでこの馬の力を確信していたし、この馬が世界に通用しなかったら他にどの馬が通用するのかとまで思っていた。この馬が強いということを証明できて良かった」

 今年はジェンティルドンナで牝馬2冠とジャパンCを制し、テスタマッタでフェブラリーSを、そしてディープブリランテで日本ダービーまで手にした岩田だが、ただただロードカナロアのスプリンターズSに続く勝利をこう言って喜んだ。

 凱旋門賞と並んで、日本馬にとって鬼門とされたレースだった。香港とオーストラリアによってほぼ独占状態だった「スプリント世界一」の称号の奪取。表彰式でトロフィーを高々と掲げた安田師は「このレースは世界一のレースだと思っています。勝つために来ましたが、それが現実となってうれしいですし、夢のようです。日本の馬が世界のスプリントに通用することを証明できました」と胸を張った。「来年はもっといい走りができる」と岩田。「来年も挑戦したいですね」と安田師。挑み続ければ、扉はいつか開かれる。メイダンへ、そして悲願のロンシャンへ。日本競馬は香港から、大いなるエールを受け取った。

 

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