俳優でエッセイストの小沢昭一(おざわ・しょういち)さんが10日午前1時20分、前立腺がんのため都内の病院で死去した。83歳だった。個性的な脇役として舞台や映画で活躍したが、日本の伝統芸能に興味を持ち、研究の道へ。芸能にまつわる数々の著書を残すと同時に、劇団を主宰するなど幅広い活動で知られた。1973年にスタートしたTBSラジオの長寿番組「小沢昭一の小沢昭一的こころ」では、名パーソナリティーとして幅広い層に親しまれた。
小沢さんが9月に休養して以降も「小沢昭一の小沢昭一的こころ」は、過去の傑作選に切り替えて放送を続けていたが、この日の訃報を受け、急きょ内容を差し替え。タレント・永六輔(79)、毒蝮三太夫(76)らが電話で生出演した。
永は親交の深かった小沢さんとの別れに「どう(心の)整理をつけるか」と胸中を明かした。小沢さんと永は長年の俳句仲間。最近小沢さんが詠んだという「退院の 一歩一歩の 落ち葉踏む」という俳句を紹介し、「自分のやったことを威張らない人だった」と人柄をしのんだ。
TBSラジオは同番組の今後については「故人をしのぶことができるような特別番組の放送を検討中」としている。
[2012/12/11-06:00 スポーツ報知]