2012.12.11 05:06

前代未聞!日本ハム・栗山監督、謝罪65分(2/3ページ)

花巻東高への謝罪の挨拶を終えた栗山監督は、神妙な顔で学校を後にした(奥は同校の佐々木監督)(撮影・土谷創造)

花巻東高への謝罪の挨拶を終えた栗山監督は、神妙な顔で学校を後にした(奥は同校の佐々木監督)(撮影・土谷創造)【拡大】

 「日本ハム・大谷」誕生から一夜明けたこの日、栗山監督は気温マイナス1度、約10センチの雪が積もった花巻東高に、山田GM、大渕スカウトディレクターらと足を踏み入れた。前日、大谷の入団表明会見が行われた岩手・奥州市内のホテルから約35キロ離れた同校に向かわなければ、大谷獲得に至る長い旅は終わらない。覚悟の訪問だった。

 「ファイターズは信念を持って指名させていただいたが、ご迷惑をかけてしまった。おわびをさせていただきました」

 午前9時10分から約65分間の会談を終えた栗山監督は、沈痛な表情を浮かべた。現役監督がドラフト指名後の混乱を謝罪に訪れること自体、前代未聞だ。日本ハム側は、同校の佐々木洋監督(37)、小田島順造校長(68)らに大谷が入団を決めたことの報告と、ドラフトで強行指名に至った経緯を改めて説明した。

 だが、同校から聞かされたのは、想像を絶する現実だった。現在も続いている大谷や学校へのバッシングの説明を受けた。10月21日、大谷は米大リーグ挑戦を表明し、同25日に日本ハムがドラフト1位指名すると、入団の可能性について「自分自身の考えとしてはゼロ」と話した。そのころから、同校の電話は鳴り止まなくなった。

 「(大リーグ挑戦という)大きな決断に対して(簡単に)変わるのかということだったり、日本経由で行った方がいいということだったり…」と佐々木監督が明かした。高校生の大リーグ挑戦を否定する声、日本プロ野球を軽視しているとの抗議、日本ハムとの交渉への中傷…。対応する事務職員が30分以上も席から立てないこともあった。学校関係者によれば、入団表明翌日のこの日も、翻意を非難する電話が何度も鳴り、バッシングは収まっていない。

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