2012年12月10日
スポーツ余話あれこれ〜最近のボクシング、フィギュアスケート、テニスから
わたしの余暇の過ごし方では、スポーツ鑑賞が一番多い。最近のトピックスをジャンル別に書いてみた。
【テニス】現役復帰して5年目の42歳のクルム伊達公子がまだまだ頑張っている。その姿は多くの人を励ましている。素晴らしいことだ。今季の伊達は不調で、女子ツアー(WTA)では10試合連続、初戦敗退という不名誉な記録もつくってしまった。世界ランキングも秋には、140位台まで落ち、「これでは来年戦えないから引退かも。106位までに入らないと、最初のグランドスラム大会である全豪オープンにダイレクト・インできないから」と思った。140位だと予選に回る。予選3試合に勝って、ようやく本戦に出られる。体力の衰えている伊達に予選3試合は厳しい。ダイレクト・インとは予選免除で直接本戦から出られることを指し、伊達もこれを目指しながら、挫折しかかった。
ところが伊達はめげていなかった。WTAの下部大会に当たるITF大会にどんどん出場したのだ。インド、日本(愛知県豊田市)、ドバイと転戦した。年齢を考えると、無謀に近い。試合会場にタオルがない、ネットの高さがいい加減、ボールボーイが少ない・・・ツアーレベルとは明らかに違う劣悪な環境に挑んだ。インドなんて、世界中を回っている伊達でも、初めて行ったという国。下痢を防ぐため、水分を一切摂取しないよう細心の注意を払っていたことが自身のブログ(試合中は頻繁に更新するのも立派)から分かる。この3試合で、見事に準優勝、準優勝、優勝という結果を残した。ツアーでは負けても、まだ若い経験の浅い選手にはめっぽう強い。そして、ITFはいくら決勝に残っても、稼げる世界ランクポイントは少ないものの、最後のドバイで優勝したことが効いて、今日付最新ランキングでは98位にまで戻した。これで全豪はダイレクトインできる。前哨戦はあるが、そこで大きく変動する可能性はまずないからだ。伊達のど根性には圧倒される。脱帽だ。ITFとなると、とてもテレビ中継はありえないので、PCで生のスコア(ライスコと言われる)をたどりながら、伊達を応援したものだ。
【ボクシング】中学生のころからのボクシングファン。後楽園ホールなどで生の試合を見たこともかなりある。WOWOWの解説者、ジョー小泉氏とは取材を通じて知り合った。さて、直近の最大のニュースはなんといっても、日本時間日曜日(9日)にラスベガスであったマニー・パッキャオ(フィリッピン)の試合。宿敵のファン・マニエル・マルケス(メキシコ)と4度目の対決だ。「パウンド・フォー・パウンド(全階級を通じて最強)」とも呼ばれるパッキャオを愛するわたしは勝利を確信していたのだが・・・。
なんと6回にKO負け。それまで両者とも1度ずつダウンを奪い、6回に入るころはややパッキャオ優勢になっていた。ところが、終了間際、飛び込んだパッキャオにマルケスの右ショートフックがさく裂。パッキャオは前向きに倒れ、一時は病院行きかとも思われるぐらいのダメージだった。カウンターパンチの恐ろしさを見せつけた。カウンターは前に向かっていくボクサーに合わせるもので、破壊力は単純に言って倍になる。39歳マルケスのパンチは芸術的だった。パッキャオは起き上がり、テレビのインタビューに答え「自信過剰だった」と敗因を語った。グローブで防御しないまま突っ込んだのはまさにパッキャオの過信が生んだKO劇だ。この試合は、今年のベストマッチ、ベストKOに選ばれる可能性がある。
パッキャオの完敗だったが、早くも第5戦のうわさが出ている。タイトルは多分、「The Rebenge」あたり。この試合でパッキャオが文字通り、リベンジを果たせば、第6戦もあり得る。タイトルは多分、「The Final Chapter」最終章。勝っても負けても、パッキャオには20億円以上のファイトマネーが入る。今回は10億円以上とされるマルケスも次回大戦では20億円以上になるだろう。この2人はそれぐらい観客をひきつける力がある。今回も含めると、パッキャオから見て、2勝(きわどい判定勝ち)、1引き分け、1敗(KO)となる。宿敵と言わずしてなんと言おう。ボクシングは野蛮なスポーツと批判する人もいる。だが、格闘技の中でルールが厳格に定められ、リングの中で、のるかそるかの逃げ場のない戦いはボクシングの醍醐味だろう。体を鍛え、パンツだけの姿で打ち合う。やはり究極の肉体勝負といえ、そこに魅了される。
【フィギュアスケート】この子が出現したから、フィギュアに熱中するようになった。そういう人も多いだろう。浅田真央(22)がロシア・ソチで行われたグランプリファイナルで、4年ぶり3度目の優勝を果たした。難度の高いジャンプ、トリプルアクセル(3回転半)を回避し、総合力で勝つ作戦。それがうまくいった。ショートプログラムは苦手だったが、楽しい曲を選び、笑顔で軽快に滑った。SP、フリーともに1位の得点で2位のアシュリー・ワグナー(米)に大差をつけた。ところが、ちょうどほぼ同じ時間帯にドイツで行われた国際大会に出場したキム・ヨナ(韓国)が、1年8カ月のブランクを感じさせない演技で、今季世界最高点で優勝した。
得点を比較すると、キム・ヨナの方が6点ほど高い。大会が違い、審判も違うので、単純に比較するのは、いかがかとは思うが、キム・ヨナはフリーで転倒しての得点なのだ。真央ちゃん(とつい言ってしまう)は細かいミスはあったが、ほぼ完璧に滑って6点負けた。このまま順調に2人がいくと、来年はじめの世界選手権で直接対決となる。真央ちゃんに勝ってほしいというナショナリズムはあるが、いまのままだとかなり厳しい。ソチ五輪でも同じだろう。真央ちゃんは生まれた時期が悪かった。キム・ヨナと同じ年なのだ。もう半年、早く生まれていれば、トリノ五輪に出場できた。もし、そうだったら、荒川静香に勝利していたかもしれない。15歳のころの真央ちゃんは無敵だったから。真央ちゃんは銀メダルホルダーとなり、伊藤みどりさんのように実力はあっても、五輪で金をとれない宿命なのかもしれない。
まだまだ、メジャーリーグとか欧州サッカーの日本人選手とか書きたいテーマは山ほどあるが、もう既に長くなりすぎたので、ここら辺で今回は打ち止めにしたい。スキーの女子ジャンプ、高梨沙羅選手(16)のすさまじい飛距離にも触れたかった。とにかく、LIVE生中継のハラハラ感がスポーツ鑑賞の面白さだ。来年もLIVEを追い続けたい。
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【テニス】現役復帰して5年目の42歳のクルム伊達公子がまだまだ頑張っている。その姿は多くの人を励ましている。素晴らしいことだ。今季の伊達は不調で、女子ツアー(WTA)では10試合連続、初戦敗退という不名誉な記録もつくってしまった。世界ランキングも秋には、140位台まで落ち、「これでは来年戦えないから引退かも。106位までに入らないと、最初のグランドスラム大会である全豪オープンにダイレクト・インできないから」と思った。140位だと予選に回る。予選3試合に勝って、ようやく本戦に出られる。体力の衰えている伊達に予選3試合は厳しい。ダイレクト・インとは予選免除で直接本戦から出られることを指し、伊達もこれを目指しながら、挫折しかかった。
ところが伊達はめげていなかった。WTAの下部大会に当たるITF大会にどんどん出場したのだ。インド、日本(愛知県豊田市)、ドバイと転戦した。年齢を考えると、無謀に近い。試合会場にタオルがない、ネットの高さがいい加減、ボールボーイが少ない・・・ツアーレベルとは明らかに違う劣悪な環境に挑んだ。インドなんて、世界中を回っている伊達でも、初めて行ったという国。下痢を防ぐため、水分を一切摂取しないよう細心の注意を払っていたことが自身のブログ(試合中は頻繁に更新するのも立派)から分かる。この3試合で、見事に準優勝、準優勝、優勝という結果を残した。ツアーでは負けても、まだ若い経験の浅い選手にはめっぽう強い。そして、ITFはいくら決勝に残っても、稼げる世界ランクポイントは少ないものの、最後のドバイで優勝したことが効いて、今日付最新ランキングでは98位にまで戻した。これで全豪はダイレクトインできる。前哨戦はあるが、そこで大きく変動する可能性はまずないからだ。伊達のど根性には圧倒される。脱帽だ。ITFとなると、とてもテレビ中継はありえないので、PCで生のスコア(ライスコと言われる)をたどりながら、伊達を応援したものだ。
【ボクシング】中学生のころからのボクシングファン。後楽園ホールなどで生の試合を見たこともかなりある。WOWOWの解説者、ジョー小泉氏とは取材を通じて知り合った。さて、直近の最大のニュースはなんといっても、日本時間日曜日(9日)にラスベガスであったマニー・パッキャオ(フィリッピン)の試合。宿敵のファン・マニエル・マルケス(メキシコ)と4度目の対決だ。「パウンド・フォー・パウンド(全階級を通じて最強)」とも呼ばれるパッキャオを愛するわたしは勝利を確信していたのだが・・・。
なんと6回にKO負け。それまで両者とも1度ずつダウンを奪い、6回に入るころはややパッキャオ優勢になっていた。ところが、終了間際、飛び込んだパッキャオにマルケスの右ショートフックがさく裂。パッキャオは前向きに倒れ、一時は病院行きかとも思われるぐらいのダメージだった。カウンターパンチの恐ろしさを見せつけた。カウンターは前に向かっていくボクサーに合わせるもので、破壊力は単純に言って倍になる。39歳マルケスのパンチは芸術的だった。パッキャオは起き上がり、テレビのインタビューに答え「自信過剰だった」と敗因を語った。グローブで防御しないまま突っ込んだのはまさにパッキャオの過信が生んだKO劇だ。この試合は、今年のベストマッチ、ベストKOに選ばれる可能性がある。
パッキャオの完敗だったが、早くも第5戦のうわさが出ている。タイトルは多分、「The Rebenge」あたり。この試合でパッキャオが文字通り、リベンジを果たせば、第6戦もあり得る。タイトルは多分、「The Final Chapter」最終章。勝っても負けても、パッキャオには20億円以上のファイトマネーが入る。今回は10億円以上とされるマルケスも次回大戦では20億円以上になるだろう。この2人はそれぐらい観客をひきつける力がある。今回も含めると、パッキャオから見て、2勝(きわどい判定勝ち)、1引き分け、1敗(KO)となる。宿敵と言わずしてなんと言おう。ボクシングは野蛮なスポーツと批判する人もいる。だが、格闘技の中でルールが厳格に定められ、リングの中で、のるかそるかの逃げ場のない戦いはボクシングの醍醐味だろう。体を鍛え、パンツだけの姿で打ち合う。やはり究極の肉体勝負といえ、そこに魅了される。
【フィギュアスケート】この子が出現したから、フィギュアに熱中するようになった。そういう人も多いだろう。浅田真央(22)がロシア・ソチで行われたグランプリファイナルで、4年ぶり3度目の優勝を果たした。難度の高いジャンプ、トリプルアクセル(3回転半)を回避し、総合力で勝つ作戦。それがうまくいった。ショートプログラムは苦手だったが、楽しい曲を選び、笑顔で軽快に滑った。SP、フリーともに1位の得点で2位のアシュリー・ワグナー(米)に大差をつけた。ところが、ちょうどほぼ同じ時間帯にドイツで行われた国際大会に出場したキム・ヨナ(韓国)が、1年8カ月のブランクを感じさせない演技で、今季世界最高点で優勝した。
得点を比較すると、キム・ヨナの方が6点ほど高い。大会が違い、審判も違うので、単純に比較するのは、いかがかとは思うが、キム・ヨナはフリーで転倒しての得点なのだ。真央ちゃん(とつい言ってしまう)は細かいミスはあったが、ほぼ完璧に滑って6点負けた。このまま順調に2人がいくと、来年はじめの世界選手権で直接対決となる。真央ちゃんに勝ってほしいというナショナリズムはあるが、いまのままだとかなり厳しい。ソチ五輪でも同じだろう。真央ちゃんは生まれた時期が悪かった。キム・ヨナと同じ年なのだ。もう半年、早く生まれていれば、トリノ五輪に出場できた。もし、そうだったら、荒川静香に勝利していたかもしれない。15歳のころの真央ちゃんは無敵だったから。真央ちゃんは銀メダルホルダーとなり、伊藤みどりさんのように実力はあっても、五輪で金をとれない宿命なのかもしれない。
まだまだ、メジャーリーグとか欧州サッカーの日本人選手とか書きたいテーマは山ほどあるが、もう既に長くなりすぎたので、ここら辺で今回は打ち止めにしたい。スキーの女子ジャンプ、高梨沙羅選手(16)のすさまじい飛距離にも触れたかった。とにかく、LIVE生中継のハラハラ感がスポーツ鑑賞の面白さだ。来年もLIVEを追い続けたい。
読んで頂き、ありがとうございました。この緑バナーをポチっとクリックして、応援してくださると、うれしいです。ランキング画面に飛びます。
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この記事へのコメント
1. Posted by 海外に伝えて下さい 2012年12月11日 04:12
万歳!映画パラダイス〜鷺沼ほろ酔い日記 様
初めまして。 (*^_^*)
どうぞ「踏み絵」を踏んでからお話し下さい。↓
海外に伝えて下さい
子供たちに虚偽 (きょぎ) を広めないよう
http://midoriitos.blog133.fc2.com/blog-entry-62.html
虚偽に 「虚偽だ」「ねつ造を止めよう」 と言えない人は、
公開での言動を、ご遠慮下さい。(^_^)/ (当たり前ですね)
理由: 虚偽・ねつ造を助長しているので。
子供たちに虚偽を広めないよう、ご理解お願いします。
初めまして。 (*^_^*)
どうぞ「踏み絵」を踏んでからお話し下さい。↓
海外に伝えて下さい
子供たちに虚偽 (きょぎ) を広めないよう
http://midoriitos.blog133.fc2.com/blog-entry-62.html
虚偽に 「虚偽だ」「ねつ造を止めよう」 と言えない人は、
公開での言動を、ご遠慮下さい。(^_^)/ (当たり前ですね)
理由: 虚偽・ねつ造を助長しているので。
子供たちに虚偽を広めないよう、ご理解お願いします。