日本原子力発電・敦賀原子力発電所(福井県)の敷地内にある断層について、国の原子力規制委員会は「過去に地震を起こしてきた活断層である疑いが強い」との見解をまとめた。田中俊一委員長はこれを踏まえ、同原発の再稼働の審査に入らない考えを示した。
活断層や地質の専門家からなる同委の有識者会合が、現地調査に加えて、最新の科学的知見を踏まえて結論を出した。その判断は重く受け止めるべきだ。田中委員長の見解も妥当といえるだろう。
ただ、この断層がこれから地震を起こす危険性がどの程度かは不明な点も多く、廃炉にすべきかは引き続き慎重な検討が要る。規制委と原電は今後も追加的な調査に全力を挙げてほしい。
敦賀原発では建屋直下に破砕帯という地層のずれが見つかり、活断層かどうかが焦点だった。有識者会合は地層調査などから、敷地を通る別の活断層と破砕帯が連動し、たびたび地震を起こした疑いが強いと結論づけた。
同原発は1970年に稼働し、国内の原発では最も古い。一方で活断層の研究は95年の阪神大震災後に急速に進んだ。立地時の安全審査が妥当だったか検証の余地があるが、現代の科学に照らして安全性に懸念があると判断されるなら、それを優先すべきだ。
関西電力大飯原発や北陸電力志賀原発などでも断層をめぐって調査が続いている。規制委はそれらについても、透明性の高い手続きで結論を出してほしい。
敦賀原発を廃炉にするかは日本原電の経営問題にもかかわる。同社の主力発電所は敦賀と東海第2原発で、これらが稼働しなければ財務の悪化は避けられない。
今後、安全に再稼働できる原発を選別する際に、電力の安定供給を考えると、原発をもつ電力会社の経営の先行きを無視できない。規制委は政府から独立した立場で安全性を厳格に審査し、それを踏まえて政府が原発の存廃をどう判断するか。その手続きやルールを明確にする必要があるだろう。
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