小沢昭一さん死去、県内でも悼む声
俳優の小沢昭一さんの訃報に10日、交流のあった県内各地の関係者からは悼む声が聞かれた。
新潟市西蒲区の無職、斎藤文夫さん(79)は約30年前、地元の仕掛け屋台「のぞきからくり」について、全国の大道芸を調べていた小沢さんに手紙を書いたことがきっかけで交流を始めた。斎藤さんは「残念のひと言。心遣いの細かな、優しい人だった」としのんだ。
仲間と結成した「巻町小沢昭一を呼ぶ会」の呼び掛けに応じて何度も公演を開いてくれ、著書を何冊も送っきてくれたこともあったという。最後に会ったのは5年ほど前の地元での俳句イベント。斎藤さんは「芸能を深く研究し、素晴らしい仕事をされた方でした」と悲しそうに話した。
小沢さんは、母方の祖母が長岡市与板地域の良寛の一族出身だったという縁で4年前、長岡市で講演会を開いた。
主催した「NPO法人良寛の里活性化研究会」の浜田明・代表世話人(57)は「講演を依頼した時、お金はあまり出せないと正直に伝えた。それでも快く引き受けてくださった」と振り返る。「ユーモアがあり、ほのぼのとした感じの方だった。もう一度話を聞きたかった」と悼んだ。