国際中国の格差深刻化、ジニ係数世界最悪水準 警戒線を超える2012.12.10 14:11

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中国の格差深刻化、ジニ係数世界最悪水準 警戒線を超える

2012.12.10 14:11 中国

 【北京=山本勲】10日の中国各紙報道によると、所得格差の代表的指標であるジニ係数が中国で2010年に0・61と、世界最悪水準に達していたことが明らかになった。ジニ係数は国際的に0・4以上が「社会紛争の多発する警戒線」とされているが、中国ではこれをはるかに上回る格差が生まれているわけだ。今秋の反日暴動も、こうした貧富格差に憤る出稼ぎ労働者らの不満発散の“はけ口”に利用された観があった。

 ジニ係数は0(格差ゼロ)から1(一世帯が全所得を独占)までの幅で測られる。中国の同係数は改革・開放政策が始まった1980年代初頭まで0・3以下だったが、2000年には0・412と国際警戒線を上回るところまで上昇。その後は政府が調査結果を公表しなくなっていた。

 今回の調査は、政府重点大学の一つ、西南財経大学(四川省成都市)と中国人民銀行(中央銀行)金融研究所の共同事業で、全国25の省・直轄市・自治区8400戸余りの家庭を調べた。それだけに信頼性はかなり高いとみられる。

 これによると、都市部は0・56、農村は0・6、全体で0・61。教育水準で分類すると大卒以上の0・46に対し、小学校卒業以下で0・58と、低学歴の家庭ほど格差が大きい。

 中国のジニ係数は昨年あたりから、「すでに0・5を超えている」(国営新華社通信)との見方が一般化していたが、0・61との調査結果は衝撃的だ。世銀の調査では2010年の世界平均は0・44という。

 過去の国連などの調査でも、0・6台はボツワナ、シエラレオネ、中央アフリカ、ボリビア等の一部アフリカ・中南米諸国に限られていた。

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