2012年12月09日(日)
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「利用したいけど…怖い」 笹子トンネル崩落事故 ドライバー、不安隠せず
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ボルトやナットの緩みがあったことが明らかになった下り線の笹子トンネル(左)。右は県警の現場検証が続く上り線トンネル=大月市笹子町黒野田 |
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中央自動車道上り線笹子トンネルの天井板崩落事故で、中日本高速道路が下り線トンネルでも天井板を固定するボルトやナットの緩みがあったと発表した8日、高速道路を利用しているドライバーから「トンネルを通るのが怖い」「点検はしっかりしていなかったのか」とあらためて不安を訴える声が上がった。同社は天井板を撤去した上で、年内にも下り線を復旧させたい考えだが、「利用したいのはやまやまだが、安全と信じられるまでは抵抗がある」と、利用者は複雑な表情を見せた。
「笹子トンネルという名前を聞くだけで、子どもが怖がるんです」と釈迦堂パーキングエリアで話したのは、南アルプス市の実家に帰る途中の公務員守重綾子さん(41)=小菅村。ふだんは上野原インターから甲府南インターまで中央道を利用するが、通行止めのため、国道20号を経由して勝沼インターから中央道に乗り入れた。
国道20号の新笹子トンネルを通過した際も、8歳の長男が「トンネル怖い。ここは大丈夫なの?」と聞いてきたという。守重さんは下り線トンネルでもボルトなどの緩みが見つかったことについて「9月の点検時にしっかり調べていれば、発見できたのではないか」と指摘した。
事故前は月に2、3回中央道を通っていたというトラック運転手藤野貞治さん(46)=さいたま市=は、事故前日の午前8時ごろにも上り線の笹子トンネルを通過。「ちょうど1日通るのが遅れていたら、巻き込まれていたかもしれない。人ごとじゃない」と表情を曇らせた。
中日本高速道路が下り線を対面通行にして仮復旧を目指すことについて、藤野さんは「2車線しかない下り線では復旧しても、ひどい渋滞になるのではないか」と予想。仕事で北関東と山梨を行き来する際は、上信越道の利用も検討しているという。
中央道の迂回うかい路となっている国道20号では、週末や通勤時間帯を中心に渋滞が発生。中日本高速道路は年末年始の帰省・Uターンラッシュまでに再開にこぎつけたい考えだが、北杜市長坂町大八田の公務員堀内健さん(26)は「中央道を利用して移動時間を短縮したい気持ちはあるが、原因もはっきりしないままでのトンネルの通行には不安がある」といい、当面は一般道を利用するという。〈報道部〉
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