■中学時代から親交がある劇作家の大西信行さん
俳優には違いないが、それだけでは満足せず、プロデューサーや演出家にもなった。日本の古典芸能というよりむしろ放浪芸を自分で調べて歩いたりしていた。
最近でも「やりたいことがたくさんある」と話していた。浪花節を自分流に調べ、上演したい、と。夢が色々とあったが、とうとうできなくなった。残した本を頼りに、ほんの一つでもいいから先を生きる若い人たちがその夢をかなえてくれるとありがたいし、一番の供養になるだろう。
最後に会ったのは8月に大阪であった米朝祭りのトークショー。そのときは元気だったが、その後に具合が悪くなったと聞いた。句会も休み、入院したという話を聞いて心配していた。
中学時代からずっと、しつこく友達を続けてきた。しょうがない2人で、どっちが葬式出すのかなと話をしたりしていた。一人の立派な才能であり、しつこいしつこい探求、研究の人だった。プロデューサー、演技者、語り手、としても大事な人でした。