【ドーハ=村山祐介、小林哲】カタールで開催中の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP18)で、日本政府代表団の責任者、長浜博行環境相は7日の最終日の交渉に参加せずに帰国、日本に同日夜戻った。長浜氏の事務所によると、8、9日は衆院選の民主党候補の応援があるという。ヤマ場の閣僚級交渉が続く中の離脱に、参加しているNGOから疑問の声が出ている。
長浜氏は6日夕、記者団に「大臣レベルで話はしたし、日本国チームとしてスタッフも一生懸命やっている」と述べ、交渉で日本の存在感が薄れる懸念はないことを強調。帰国は出席前からの予定通りで、7日未明までに会場を離れた。
日本代表団のある幹部は「会期延長のためではなく、もとから最終日の参加を予定しない例は覚えがない」。また、環境NGO「気候ネットワーク」の平田仁子・東京事務所長は「日本は自国のアピールに来ただけで、交渉をまとめようとは考えていないということ。悲しくなる」と話した。