文化審答申:「オタクの聖地」旧豊郷小、文化財に 人集い、新たな価値育み 年間来場者5万人 /滋賀

毎日新聞 2012年09月22日 地方版

 21日、国の有形文化財登録が決まった豊郷町の旧豊郷小学校は「オタク」と呼ばれるアニメファンの聖地。専門家は「元々文化財の観光地がアニメの舞台になるのではなく、『オタクの聖地』が文化財になる例は初めて」と指摘する。【加藤明子】

 「この校舎で豊郷の子どもたちが学び続けるのが理想だった。今の姿は想定外だが、人が集まるから文化的価値が生まれると再確認した」。保存と文化財登録を求め住民運動を11年率いた卒業生の本田清春さん(61)は、「けいおん!」風の楽器を背に校舎へ入る若者たちを笑顔で迎え入れた。

 同町によると、舞台の高校が旧豊郷小校舎をモデルにしたとされる人気アニメ「けいおん!」の放送開始は09年4月。耐震改修工事を終え、町が翌月一般公開すると全国からファンが押しかけた。年間来場者5万人、Tシャツやクッキーを販売する旧図書館の売店の売上額は1億円を超え、飲食店や交通機関の経済効果は数億円とされる。

 図書館にはファンが持ち寄ったフィギュア約1500個が並ぶ。偶然出会ったファン同士が音楽室でセッションし、講堂では登場人物の誕生会を開く。草刈りやイベントの手伝いにもボランティアで集まり、同町担当者は「町職員は100人足らず。オタクはもはや町に欠かせない存在」という。本田さんも「歴史を学びたい」というファンの電話を受け、ボランティアガイドを始めた。フランスや中国、韓国からの来訪も増えている。本田さんは「子どもの頃は毎日、校舎を丁寧に掃除した。真っ白い壁に落書きする子は1人もいなかった。建物は人が集まるから守れる」と語った。

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