国際【朝鮮半島ウオッチ】打ち上げ目前、金正恩氏の「祝砲ミサイル」のリスクと勝算+(1/3ページ)(2012.12.8 07:00

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【朝鮮半島ウオッチ】
打ち上げ目前、金正恩氏の「祝砲ミサイル」のリスクと勝算

2012.12.8 07:00 (1/3ページ)朝鮮半島ウオッチ/外交ウオッチ
今年4月、北朝鮮・東倉里の長距離弾道ミサイル発射場前に立つ北朝鮮兵士(AP)

今年4月、北朝鮮・東倉里の長距離弾道ミサイル発射場前に立つ北朝鮮兵士(AP)

 発射が目前に迫った北朝鮮のミサイル「テポドン2号改良型」は、射程1万キロの米本土に到達可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発途中にある。このため米国は安全保障上、今回の成否に重大な関心を寄せている。一方、今春の失敗に続き年に2度の発射命令を下した金正恩第1書記は、「2度目の失敗」というリスクも背負っている。さらに轟々の非難と制裁強化が待っている。それでも発射を強行する金正恩氏の勝算とは?(久保田るり子)

「金正恩氏は、失敗を恐れていない」

 韓国国防部の試算によると、北朝鮮が1998年以来、長距離弾道ミサイル開発に投じた費用は推定約30ドル(約2500億円)という。目的は核弾頭の運搬手段としてのICBM。ターゲットはワシントンだ。

 ICBMを目指す「テポドン2号」の発射はこれで4回目だ。北朝鮮は中距離弾道ミサイル「ノドン」の完成と配備(現在約320基)が90年代に完了、その後着手したのがICBM開発で、98年に原型として「テポドン1号」を試作、その後06年、09年と時間をかけ慎重に開発してきた。

 4月に打ち上げ、失敗した「テポドン2号改良型」は今回と同型だ。発射約1分後、上空150キロ付近で1段目ブースターが爆発した。ミサイル開発では通常、失敗した場合は1年以上かけての原因解明と改良を行うのが西側諸国の常識だ。8カ月後の再発射は異例で、父親の金正日氏もやらなかった「金正恩方式」ともいえるが、それだけに「技術的な問題を本当に克服したのか」との指摘も少なくない。

このニュースの写真

4月、北朝鮮が人工衛星打ち上げと主張して公開した長距離弾道ミサイル=北朝鮮北西部・東倉里(共同)
北朝鮮によるミサイル発射に備え、海上自衛隊佐世保基地に停泊する(手前2隻目から)「みょうこう」、「あたご」、「ちょうかい」、「こんごう」の4イージス艦=5日午後、長崎県佐世保市で共同通信社ヘリから
2009年4月、北朝鮮がロケットと主張していた「銀河2号」の発射場面の映像。朝鮮中央テレビが放映した。日本政府は長距離弾道ミサイル「テポドン2号」かその改良型とみている(共同)

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