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日本政府の藤村修官房長官は、7日の記者会見で、北朝鮮のミサイル(北朝鮮は衛星打ち上げ用ロケットと主張)発射について「通常は、わが国領域内に落下することはないと考えている」と述べ、動揺しないよう求めた。しかしその一方で、日本政府は最近、あたかも戦争が迫っているかのような緊迫した動きを見せている。野田佳彦首相など主要閣僚は、北朝鮮のミサイル発射が有力視されている今月10日から毎日、午前中の総選挙遊説を中止し、ミサイル発射に備えることにした。
日本政府は7日に閣議を開き、北朝鮮のミサイルが日本領内に落下する場合、これを迎撃せよという「破壊措置命令」を自衛隊に発令した。東京都心の新宿区市ヶ谷にある防衛省の運動場など、首都圏の3カ所を含め、全国の計7カ所にミサイル迎撃用の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を移動配備した。海上配備型迎撃ミサイル「SM3」を搭載した海上自衛隊のイージス艦3隻も、東海(日本海)や東シナ海などに移動させた。また野田首相は7日、市ヶ谷の防衛省に配備されたPAC3部隊を視察し「国民の生命と財産を守るために、万全の態勢で臨んでいきたい」と語った。
日本政府は今月5日、全国の自治体の担当者を対象に全国瞬時警報システム(Jアラート)の説明会を開き、システムをチェックした。Jアラートは、地震・津波など災害の発生を知らせる警報システムだが、ミサイル発射の事実を全国に伝える役割も果たす。ミサイルの軌道に近い沖縄県では5日、無線放送システムを利用した避難訓練も行われた。また警察庁は、北朝鮮のミサイルからの落下物に有害物質が含まれている可能性もあるとして、核・生物・化学兵器に対応する対テロ部隊を配備すると発表した。
このように、北朝鮮のミサイル発射をめぐり日本列島が騒がしくなっている背景には、北朝鮮のミサイル攻撃の目標は日本だという主張の広まりがある。インターネットのサイトなどには「北朝鮮が東京を核ミサイルで攻撃する」という内容の動画があふれている。しかし平安北道東倉里から発射される予定のミサイルは、西海(黄海)上空を通過し、東シナ海方面へと飛行する。日本とは全く関係のない方向だ。にもかかわらず、一部の極右団体などは「北朝鮮が日本を狙ってテポドン・ミサイルを約200基配備した」といった主張を組織的に展開し、再軍備の根拠にしている。日本政府は、北朝鮮が1998年にテポドン・ミサイルを発射したことを受け、これに備えるという名目でミサイル防衛(MD)システムの導入や偵察衛星の打ち上げを決定した。偵察衛星網の構築だけでも、これまでに8000億円を投じたといわれている。中国国営の各メディアは「日本が北朝鮮の衛星(ロケット)の危険性を誇張し『平和憲法』の束縛を解いて軍事力を強化しようとしている」と報じ、日本の大げさな動きを警戒している。