1995年12月に起きた高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)のナトリウム漏れ事故から丸17年の8日、原発反対派がもんじゅの廃炉を求める全国集会を同市白木などで開いた。東京電力福島第1原発事故を受け「脱原発の方向性が示された今、高速増殖炉開発の意義はなく、速やかに撤退すべきだ」と、運営する日本原子力研究開発機構に抗議した。
原発反対県民会議、NPO法人原子力資料情報室などが主催し、もんじゅを望む白木海岸に県内外から約800人(主催者発表)が集まった。原水爆禁止日本国民会議の道田哲朗副事務局長らが脱原発に向け、勢力の結集を呼び掛けた。県内の反原発運動をリードし、今年6月死去した小木曽美和子さんを追悼するコメントもあった。
寒風とみぞれが吹きつける中、参加者は「もんじゅ継続反対」「廃炉に追い込むぞ」とシュプレヒコールを上げ、もんじゅのゲート前までデモ行進。原子力機構の櫻井敏久管理課長に抗議文を手渡した。
この後、同市きらめきみなと館で九州大副学長の吉岡斉さんらがエネルギー政策の行方などについて講演した。
もんじゅをめぐり、文部科学省は運転技術確立や核廃棄物の減量化に向けた研究計画の策定を進めており、原子力機構は2013年末にも運転再開するとの計画案を示している。