飼い犬のふんの放置を無くそうと、知立市は二〇一三年度から「イエローカード作戦」を始める。地域ぐるみで監視していることを飼い主に知らせて抑止を図る試みで、七月から先行実施した地区では成果を挙げている。
市は昨年十月に環境美化推進条例を施行し、ごみのポイ捨てや、ふん放置に五万円の罰金を科している。しかし、なかなかふん放置が改善しないため、兵庫県高砂市の取り組みを参考に今回の作戦を計画した。
希望する町内会に「フンを持ち帰って」「監視しています」などと書かれた黄色いカードや啓発ポスター、金ばさみを提供。ふんを見つけた人が近くにカードを貼り、後日、ふんとともに回収する。飼い主の後ろめたい心理を利用するのが狙いで、効果を把握するために集計も取る。
西中町と西丘町で七月から試行したところ、一定の成果が出たという。西丘町の町内会で美化を担当する田中政文さん(65)は「一時はふん置き場かと思うほど多い場所もあって迷惑していたが、作戦を始めてから八割方減った。最終的には飼い主のモラルに委ねるしかない」と話した。
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