自衛隊 各地で部隊配備進める12月7日 14時4分
北朝鮮が来週以降に事実上のミサイルを発射すると予告していることを受けて、政府は7日午前、自衛隊に対し、日本国内にミサイルの一部などが落下してくる場合に迎撃する「破壊措置命令」を出しました。
これを受けて、自衛隊は、事実上のミサイルを追尾する高性能レーダーを搭載したイージス艦を出港させるなど、各地で部隊の配備を進めています。
このうち、海上自衛隊のイージス艦は、上空500キロ以上の大気圏外を飛行するミサイルを捉えることができる高性能レーダーで、沖縄県の先島諸島付近の上空を飛行するとみられる事実上のミサイルを追尾します。
また、万が一、部品などが日本国内に落下する場合、「SM3」と呼ばれる迎撃ミサイルで撃ち落とすため、飛行ルートに近い東シナ海と、日本海で配置に就きます。一方、地上近くで撃ち落とすための迎撃ミサイル「PAC3」は、飛行ルートに近い沖縄県の石垣島や宮古島、それに沖縄本島の航空自衛隊那覇基地と沖縄県南城市の自衛隊基地に配備されます。
PAC3はこのほか、東京の防衛省や埼玉県の朝霞訓練場、千葉県の習志野分屯基地にも配備され、イージス艦とともに、二重の構えで万が一の落下に備えることにしています。
このほか、沖縄本島や鹿児島県の離島などには、航空自衛隊の地上配備型高性能レーダー、「FPS5」があります。
このレーダーは、1000キロ以上離れた場所で発射されたミサイルを、上昇を始めた早い段階から捉える能力があり、今回も事実上のミサイルが発射された場合、追尾するとみられます。
発射の情報は、アメリカの早期警戒衛星が最も早く探知するとみられます。
この衛星には高感度の赤外線センサーが搭載され、発射の際に放出される1000度を超える熱を捉え、情報を瞬時に地上に送ります。衛星やレーダーの情報は、この春、東京のアメリカ軍横田基地に移転した航空自衛隊航空総隊司令部に集約され、発射の確認のほか、飛行ルートや落下地点の解析が直ちに行われることになっています。防衛省は、事実上のミサイルが日本国内に落下する事態は通常は起こらないとしていて、予定通り上空を通過した場合、イージス艦やPAC3は、迎撃ミサイルを発射することはないということです。
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