親日行為だけを理由に独立有功者への叙勲(勲章・褒章)を取り消してはならないとする裁判所の判決が示された。
ソウル高裁行政11部(金義煥〈キム・ウィファン〉裁判長)は6日、独立有功者・朴声行(パク・ソンヘン)氏の子孫が国家報勲処を相手取り叙勲取り消しの撤回を求めた訴訟で、親日行為が見つかったことを理由に叙勲を取り消したのは違法だとする原告勝訴の判決を下した。
国家報勲処は昨年4月、張志淵(チャン・ジヨン)氏や尹致暎(ユン・チヨン)氏ら独立有功者19人について、親日行為を行ったことを理由に叙勲の取り消しを決定した。一部の子孫がこれを不服として7件の訴訟を起こし、一審はいずれも「報勲処長には取り消しの権限がない」として原告勝訴の判決を下した。「親日と独立運動」の内容に踏み込んで叙勲取り消しの是非を判断したのは、今回が初めてとなる。
裁判所は「叙勲の取り消しを大統領の統治行為と見なしても、報勲処が取り消し決定の通知書を作成するなどの行政行為を行った」とし、報勲処の決定が訴訟の対象になると判断。その上で「叙勲を受けた独立有功者の親日行為が後に発見されたとしても、これを関連法上の『功績が虚偽と判明した場合』と見なし、叙勲を取り消すことは認められない」とした。また、朴声行氏は親日行為という過ちよりも功績の方が大きいとし、叙勲を剥奪すれば子孫に不名誉と不利益を与えることになると指摘した。
今回の判決は、ほかの子孫の訴訟にも影響を与える可能性がある。しかし、ソウル高裁の行政4部は先月、独立有功者の金禹鉉(キム・ウヒョン)氏、李恒発(イ・ハンバル)氏の子孫が起こした訴訟の二審で、叙勲の取り消しは大統領の統治行為で審理の対象にならないとし、原告の請求を退けた。そのため、この問題は大法院(最高裁判所に相当)の判断に委ねるべきだとの指摘もある。