2011年あたりからかな? (会長メッセージ)

「今までのゲーム機のゲームが売れないんだよね。」

そんな声が大きくなり始めたのは。
もちろんその前からソーシャルゲームが流行っていました。流行れば流行るほど、そうなるんではないかって誰もが考えていたんですよね。
そりゃそうですよね。いつもポケットや、かばんに入ってるスマホの画面をチョチョイと触るだけでゲームが買えて遊べる。
そのお手軽感には勝てないわけですよ。ちゃんと面白いゲームもあるし、僕もやったりするし。

とあるメーカーの方と飲みながら話してたんですよね。

「ライトな感覚でゲームする人はみんなとられちゃう。入り口を全部持ってかれたらそっちいくよね?ユーザーもメーカーも」

そう話しながらなんともいえない顔をするんですよ。いい顔と切ない顔のちょうど間の「なんともいえない顔」。
メーカーからするとソーシャルゲームを作ることが出来るし、開発のノウハウも活かせるし。なによりビジネスとしては魅力的だと。
それなら「いい顔」だけしとけばいいのに何で?って思ってたら僕の顔を見て思ってることが伝わったのか、

「なんか、さみしいんですよ。」

その方は切ない顔でゆっくり話し出しました。そういう時って本当に遠いところを見て話し始めるんだって思いました。

「僕たちはゲーム大好きじゃないですか?子供のときに小遣いためたり正月のお年玉を削ったり親になきついたりして
おもちゃ屋さんに走りましたよね。あの感覚わすれられないんですよ。」

僕もそうですよと僕の話をしました。ああ、なんか遠い目になってるって思いながら。

事前に雑誌を調べて今みたいにゲーム雑誌がなかったからコロコロとかボンボンとかを参考にして買うゲームをみんなで決めて、
自転車をすごいスピードで漕いでおもちゃ屋さんにいきました。僕らの町で有名だったのは「まごべ~」ってお店なんですけど、横に小さいSLの客車が置いてあって
そこの中に入って、みんで小遣いを出し合って買った「たこ焼き」を一個ずつ分けて食べたりした思い出深いお店なんですけどね。そんな「まごべ~」に急いで行って
滑り込みながら「バンゲリングベイ下さい!」って叫んだりしてました。大事に包んでもらったゲームを自転車の前かごにほりこんで、自転車を漕ぎまくる当時の僕。
だって早く帰ってやりたいんですよ、行きよりさらに速い速度で足は回転して、信号で止まるたびに「俺の今のパワーみてた?めっちゃ速かったやろ?」って話たりして。
それで急いで帰ってプレイした時の衝撃たるや、

「なにこれ、ぜんぜんおもろない!!!」

一時間後には弟とバルーンファイトやってました。そんなこんな全部ひっくるめた思い出がゲーム機にはあるんですよね。僕は今でもゲームがすきだ。
そんな話をしたんですよ。話を聞いてるほうも「そうそう」「わかる!!」って何回言ってたか。
へたしたら僕が話してる間ずっとその方も「そうそう」を言い続けてたかもしれないくらい。

そんなゲームが売れないっていうのが悲しすぎると。僕たちの思い出がどんどん削られて砂になるような感じがするのがどうもこうも切ないとさらに遠い目をして語るわけです。
「それにさ!サイトと見てると批判するわりには買わないんだぜ!やってもないのに批判するなよ!」ちょっと声が大きくなり始めました。これはどうしようもないです。
お酒が入っているから。

その日はこのあたりでゲームオーバーでした。

そこから半年くらいたってゲーム開発会社の社長と忘年会で一緒になったんですよ。まあ、今年もありがとうございました。来年もよろしくおねがいします。
というつもりで参加したんですが、その開発会社の社長Mさんの熱いこと。今のゲームが売れないからってひよってんじゃない!売れないなら売れるようにすればいいんだ!
俺たちの愛を形にするんだ!ユーザーの意見を全て取り入れるくらいの気持ちでぶつかるんだ!ぶーっ!!(最後のは鼻血です。実際は出てませんけど)
まあしゃべりまくられました。その間僕の「そうそう」って言葉の少ないこと!間違いなくあっけにとられていたんでしょうね。
そんな話をしていく中で僕に出来ることといえば、一生懸命作られたゲームをプレイしてゲームユーザーとしてちゃんと楽しむことだと。嘘でも芸能界に身を置く人間なら
少しでも多くの人にこの声を届かせることが出来るかもって思ったんですね。さらに僕の周りには同じようなことを考えている友達もたくさんいるし、
これは何か出来るんじゃないのかな?大好きなゲームがこれからもずっと遊べる世の中になればいいんじゃないか?って気がついたら「ぶーっ!!」って鼻血がでてたんですよね。(本当は出てないですよ。)

年を明けて動きが速かったですね。まずはゲームのライブをやりました。ツイッター厳禁がルールでそのホールに来てくれたお客様と舞台に立つゲームクリエイターとの競演。
その場に来た人だけが楽しめるゲームによるゲームばっかりのイベント。間違いなくほかでは聞けない裏の話から開発途中の画面からなんでもありのイベント。
これは反響が大きかったですね。もちろんこの先もやっていきますよ。ありがたいのはこのイベントに友達が見に来てくれたんです。みんなゲームが好きだからって理由で。
そうしたらまた話が早いこと。みんな「やりましょう」だって。うれしいよね~。
そんな友達の中のひとりがポロッというわけです。

「ユーザー協会作ったら?」

??え?なにそれ?ってなりますよね。ゲームクラブならわかるけど?って言ったら、

「ああ、そんな感じそんな感じで協会は作れるからやりましょうよ。」

じゃあやろうと。そんな軽い感じではじめることが出来るならやりましょうと。ユーザーがユーザー同士で面白いものを面白いと言い合ってお互いが参考にしてゲームを買いに走って
プレイした感想を共有できる場所を作れば、あの頃に小遣いを握り締めて走った僕たちはこれからもあの頃と同じ僕たちでいれる。
僕の思いはまだ消えることなくこれからも続き、大好きなゲームで遊び続けることが出来る。ああ!なんて幸せなのでしょう。
そして今協会を立ち上げるまさにスタート地点に立ちました。これはもうゲーム好きのみんなのおかげです。

僕は、これからもずっと面白いゲームをプレイしたいなあ。

hirai

平井 善之

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