アップルCEO:Mac生産の一部を米に移管-1億ドル投資
12月6日(ブルームバーグ):米アップル は自社パソコン(PC)「Mac( マック)」生産の一部を中国から米国に移管するに当って、2013年に1億ドル(約82億円)余りを米国内に投資する計画だ。
ティム・クック最高経営責任者(CEO)はブルームバーグ・ビジネスウィーク誌とのインタビューで、「来年は生産の一部を米国に移管する予定だ」と述べた上で、「これはアップルが自ら生産に動くということを意味するものではない。当社は関係する人たちと協力し、資金を投入していく」と説明した。
1990年代後半まで多くの製品を米国で生産・組み立てていたアップルは、割安な労働コストを生かすために生産拠点をアジアに移した。今回の投資計画はアップルの手元資金1213億ドルからすれば微々たる規模で、利益率には恐らく大きく影響しない見込み。ただ、米失業率 が8%付近にとどまり、2009年に終わったリセッション(景気後退)から米経済が回復する中で、たとえわずかでも国内雇用の創出に寄与するよう企業が求められていることを示している。
クックCEOは「一定職種の雇用を創出する責任がわれわれにあるとは思わないが、それでも雇用創出の責務はあると思う」と語った。
同CEOはインタビューで、米国での製造拠点や生産量については明らかにしなかったが、同社がパートナーと組むことや最終組み立て以外も業務も含まれるとの見通しを示した。
雇用創出クックCEOによると、同社のスマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」やタブレット端末「iPad(アイパッド)」に採用する部品の多くは既に米国で生産しており、そこにはケンタッキー州で製造されるディスプレー用ガラスが含まれている。
同CEOは、07年のアイフォーン発売を機にアップルは携帯向けソフトウエア産業で雇用を創出したと説明。同社はカリフォルニア州クパチーノに新本社ビルを建設中のほか、ネバダとオレゴン両州では新たなデータセンター建設を進め、ノースカロライナ州メイデンにあるデータセンターでは拡張工事を行っているという。
記事に関する記者への問い合わせ先:サンフランシスコ Adam Satariano asatariano1@bloomberg.net;ニューヨーク Josh Tyrangiel jtyrangiel@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Tom Giles tgiles5@bloomberg.net;Josh Tyrangiel jtyrangiel@bloomberg.net
更新日時: 2012/12/06 21:00 JST