僕が勝手にフリーランス論を展開する「Viva La Freelance!」コーナーの更新です。今回は気になる「営業」について。
営業コストはバカにならない
あたりまえですが、フリーランスは毎月決まった給料が貰えるわけではないので、すべての時間がコスト・収益と密接につながりを持ちます。
僕自身も独立したての頃は、片道交通費800円くらい掛けてまったく仕事につながらない打ち合わせに通ってしまい、大変損をした気分に駆られたことがあります。会社員なら交通費が出ますが、僕らは全部自腹です。
そんなわけで、ビジネス上の営業をする際は、効率をとにかく意識する必要があるでしょう。無駄な動きは極力減らすべきです。
では僕たちはどうすればいいのか。5つのポイントでまとめてみました。
1. ブログで専門的な知識を発信する
ほとんどすべての専門領域において、ブログは効率的な営業ツールとなります。例えばみなさんがソーシャルメディアのコンサルティングを仕事にしたいなら、まずはその知識をブログで開示しましょう。イラストレーターなら、イラストの上手な書き方をブログで紹介しましょう。
事例としては、「バズ部」が参考になるでしょう。マーケティングコンサルティングを行う森山裕彬さんが運営しているブログで、セールスに特化したコピーライティングなどの「役立つノウハウ」を提供しています。月間PVは100万を超えているそうで、毎月相当数のコンサルティングの問い合わせをブログ経由で獲得していると思われます。
僕自身も、日々ブログで情報発信をしているので、しばしば「ブログ記事を見ました。詳しくお話聞かせてくれませんか?」と仕事の問い合わせが来たりします。僕は引っ込み思案な人間なので、この営業スタイルはたいへん自分の性格にマッチしています。
ここでは「ブログ」を使うべきで、フェイスブックやツイッターでは基本的にだめだと思ってください。その理由はシンプルで、ブログは検索エンジンにヒットするからです。情報を求めている人を、みなさんが用意したコンテンツで獲得しましょう。食事(情報)を求めて泳いでくる魚(見込み顧客)を、定置網(検索エンジン)でゲットするようなイメージです。
いいコンテンツさえ用意すれば、定期的に検索エンジンからトラフィックを得ることができるので、これは大変効率的な営業ツールになりえます。極論、自分が寝ている間ですら、誰かが自分の知識や人柄に触れ、「この人は頼れるかもしれない」と思ってくれるということですから。
2. セミナーを開催する
ブログに比べて効率はだいぶ落ちますが、ノウハウを提供するセミナーを開催して、ターゲットとなる潜在顧客を呼び寄せる、というのも効率的な手段となるでしょう。
例えば、みなさんが革靴を販売しているなら「20代のうちに知っておきたい洋服のマナー講座」、みなさんがウェブ制作をしているなら「ゼロから学ぶWordpressサイト作成講座」などなど。
このとき気をつけたいのは、「セミナーのコンテンツ」と「集客方法」のふたつです。
コンテンツに関しては、無論、良質なものを用意すべきです。自社のスピーカーでは不安な場合は、外部のゲストを呼んでもよいでしょう。セミナーでは、ブログと同じく、「役立つノウハウ」を提供し、「売り」は最低限にとどめましょう。「もっと詳しく知りたい方は(商品が欲しい方は)、あとでご連絡ください」程度が理想的です。
また、集客方法にも工夫が求められるでしょう。フリーランスの場合は広告を打つのは現実的ではないので、外部のブロガーに告知記事を書いてもらう、影響力の高い人(いわゆるインフルエンサー)にイベント告知のURLを拡散してもらう、といった努力が求められます。
3. 人づてに紹介してもらう
みなさんのスキルレベルが十分に高ければ、人づての紹介も、重要な営業手段となるでしょう。
例えば僕の周囲の編集者には、常に「いい書き手いない?」と探している人がいたりします。知人に経営者には「Wordpressでサイト作りたいんだけど、デザイナーいない?」とよく聞かれます。
こういう会話は実は日本中で行われているので、みなさんが適切にフラグを立て、確実なスキルさえ持っていれば、意外と仕事が舞い込んでくるものです。かくいう僕も、けっこうな頻度で、誰かの紹介で仕事を頂きますし、逆に誰かを紹介しています。
誰かの紹介にあずかるためには、まずは高いスキルレベルを持つこと、そして二番目に「仕事探してます」フラグを立てることでしょう。十分なスキルがあれば、フェイスブックで「仕事ください」と投稿するだけで、周囲の人が紹介の機会を提供してくれるはずです。
4. クラウドソーシングサイトで実績を積む
徐々に浸透しつつあるクラウドソーシングサイトは、フリーランサーにとって重要な営業チャネルとなるでしょう。例えば、業界最大手の「ランサーズ」では実績・評価をベースにしたユーザー検索が可能となっています。このサイトで「TOP50」のクリエイターとなれば、それなりに仕事は安定して獲得することができるでしょう。
エンジニア・デザイナーに特化した「クラウドワークス」でも、同様の評価システムが用意されています。
クラウドソーシングサイトでは着実に実績を積めば、それが営業につながるので、みなさんがお持ちのスキルによっては大変効率がよいツールとなるでしょう。
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5. とにかく知ってもらおう
営業コストを下げる最強の手段は、要するに「知ってもらうこと」です。みなさん自身、またはみなさんの商品・サービスが、業界のなかで一目置かれる存在となれば、勝手に仕事が舞い込んでくるでしょう。
上に挙げた4つの方法以外にも、例えば、
・書籍を出版する
・メディアの取材を受ける
・名刺を工夫する
・フェイスブック広告を出す
なんて手段も考えられるでしょう。みなさんが日本に存在するフリーランサーの99.9999%を知らないように、みなさんのことを知る人は、日本国民の0.0001%もいないでしょう。こうしてブログを運営し、たまにメディア出ている僕ですら、認知率は0.01%程度のはずです。
周囲のフリーランスの方を見る感じ、ほとんど場合、ビジネス的な課題は認知のフェーズにあるような気がします。十分なスキルがあれば、あとはターゲットユーザーの認知を得る努力を少々するだけで、人ひとり食べていく程度のビジネスはすぐに成り立つように思います。
「営業」は億劫でも、「知ってもらう工夫」と言われれば、ちょっとワクワクしませんか?ぜひ試行錯誤して効率的に仕事をゲットしましょう。
関連本。営業・マーケティングの定番本。これを読むと色々試してみたくなるはず。
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