伊藤博敏「ニュースの深層」
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島田紳助「早過ぎる芸能界引退」の裏側に「暴力団幹部との親密関係」に重大関心を示した捜査当局の動き

「セーフ」はなぜアウトになったのか

2011年08月25日(木) 伊藤 博敏
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ここ3~4年は、暴力団を本気で壊滅させる動きになっている。

 芸人として司会者として、テレビの世界の君臨した島田紳助(55)が、8月23日、記者会見を開いて引退した。

 理由は、プロボクシング元世界王者・渡辺二郎(56)を通じて、山口組系極心連合会の橋本弘文会長(64)と交際をしていたこと。渡辺の携帯電話に、紳助から橋本への「伝言メール」が残されていて、その親密過ぎる関係を危惧した吉本興業が、「関係が事実なら(芸能人人生は)アウトだ」と伝え、最初は「セーフだと思っていた」という紳助も、「格好悪いやめ方だが、後輩たちに示しがつかない」と、引退を決意したという。

警察の「暴力団壊滅」は本気になった

 以前なら想像もつかない引退劇である。

 暴力団と芸能界は、興行を通じて切っても切れない仲。結婚式や祭りなどの賑やかな場に、芸能人を連れてくるのは、暴力団の実力の"証"。また場を盛り上げる芸能人は、トラブルの際に暴力団を頼った。

 しかし、最早、関係があること自体、許されなくなった。

 警察が暴力団壊滅の動きを見せるのは「年中行事」だったが、この10年ほどで"本気度"は上がった。「反社狩り」の始まったここ3~4年は、暴力団を本気で壊滅させる動きになっている。

 その頂点は、昨年4月の福岡県を皮切りに、次々に導入の決まった暴力団排除条例だ。都道府県は暴力団関係者を「住民」とは見なさなくなった。

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