判定でウーゴ・ルイスを下し、歓喜の亀田興毅=ボディメーカーコロシアム
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◇WBA世界バンタム級王座統一戦
WBA世界バンタム級王座統一戦は、王者・亀田興毅(26)=亀田=が暫定王者ウーゴ・ルイス(26)=メキシコ=に2−1で判定勝ちし、5度目の防衛に成功して、王座を統一した。第1子となる長男が誕生してから最初の試合に、同級暫定王座を4度防衛した実力者を退けた。
感極まった。薄氷の判定勝利。インタビューに答える興毅の声が涙声になった。「結婚して、子どもが生まれて。毎日、毎日がプレッシャーで…。内容には満足してないけど、勝てたことには大満足です」
ルイスは31勝28KO1敗で“最強の敵”といわれた。おまけに、左拳負傷でリタイヤしてから8カ月ぶりの復帰戦。「興毅、危うし」の声がもっぱらだった。試合前、本人は涼しい顔をしていたが、実はプレッシャーに押しつぶされそうな日々だったらしい。
「自分1人だったら、平気だけど。新しい家族ができたから。結婚したから、子供ができたから、アカンかったと言われたくなかった。オレの親せきにも、何回も言われたんや。“お前、大丈夫か”“負けるんちゃうか”って」
リング上で声を震わせながら「ヨメさんに感謝します」と妻美香(26)への思いを述べた興毅だが、現在、ボクシング界から永久追放となり、セコンドに付けず、客席から声を張り上げた父・史朗氏には「おやじ、どんなもんじゃない」と胸を張って見せた。
興毅のボクシングは進化している。来年について「今は何も考えていない。とりあえず、子供とゆっくりしたい」と興毅。来年もこの男がボクシング界の話題の中心にいそうだ。 (竹下陽二)
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