◇亀田祭り2012
▽4日▽大阪・ボディメーカーコロシアム▽観衆7000人
亀田3兄弟の末弟でWBC世界バンタム級3位の亀田和毅(21)=亀田=が元フィリピン・バンタム級王者レイ・ラスピニャス(26)=フィリピン=に4回1分23秒、左ボディーで2度のダウンを奪い、KO勝ちし、デビュー以来の連勝を26(16KO)に伸ばした。来年の世界穫りを目指す和毅は、WBC王者の山中慎介(帝拳)に堂々の挑戦状を叩きつけた。
世界穫りを宣言するのに十分すぎるほどのインパクトのある勝ち方だった。4回、左ボディーブローで、元フィリピン王者をもん絶させた和毅が満足げに笑った。
「今回は、打たれ強い選手を連れてきてもらった。オレのパンチが通用するかどうか。通用しなかったら、世界には行けない。それにしても、いいのが入ったな。アバラ折れてるで」
デビュー以来の26連勝となったが、なかなか巡ってこない世界挑戦の舞台。夏にWBC世界スーパーフライ級王者佐藤洋太への挑戦も浮上したが、開催地などをめぐって破談になった。いい加減、しびれを切らしている和毅は欲求不満を吐き出すようにほえた。
「もう、世界しかない。ノンタイトル戦だけだとボクサーも腐るで。いつでも、誰とでもやる。今日のボディーなら山中でも倒れるで。強いヤツとやって認められたいし、周囲を黙らせたい。場所は日本でもいい。WBCのスライマン会長にも“やらせてくれ”とお願いしたんや」
WBC世界バンタム級王者・山中は今、乗りに乗っている。4月の初防衛戦で大物ダルチニャンを撃破。11月3日のV2戦では、元世界王者ロハスに衝撃的なKO勝ち。次戦の相手は12月の次期挑戦者決定戦の勝者と決まっているだけに、和毅VS山中の実現は、次の次で来夏あたり。山中の所属する帝拳ジムと亀田ジムは、放映権を持つテレビ局が違うという障害もあるが、和毅のアピールで一気に事態が動く可能性もある。「ビッグマッチになるでー」と和毅。亀田家の最終兵器が、大勝負に出る。 (竹下陽二)
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