中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > グランパス > グラニュース一覧 > 12月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【グラニュース】


ケネディ依存脱却が課題

2012年12月5日 紙面から

鹿島−名古屋 後半、ヘッドで競り合う名古屋・ケネディ(左)=6月16日、カシマスタジアムで

写真

 12月1日、最終節の浦和戦に敗れた直後の埼玉スタジアム。ストイコビッチ監督が苦渋の表情で今シーズンを語り出した。「一人、重要な人間がいなかった。彼はクリスティアーノ・ロナルドでもメッシでもないが、いないとチームは機能しなかった」。

 誤算として名指ししたのがケネディ。昨季と一昨季の得点王が18試合出場、5得点に終わったことが最大の敗因だと振り返った。

 歯車は最初から狂っていた。腰痛で満足に動けないまま開幕を迎えたケネディを、指揮官は起用し続けた。ピクシーは「大丈夫かと尋ねると、『大丈夫だ』と言う。私は信じるしかない。日本では選手はいつもそう言う」とこぼす。現実のケネディは痛みで競り合いすら避けた。好調時のエースの“幻影”を追いかけた結果、致命的な出遅れにつながった。

 ケネディに代えてDFの闘莉王をFWで起用するという奇策も、苦境を脱する切り札にはならず。闘莉王自身は9得点で期待に応えたものの、個人技頼みのサッカーは手詰まりになるのも早かった。ラスト2戦の鹿島、浦和戦は攻撃の形を作れずに完敗。鹿島のDF岩政は「闘莉王がすごいと言うけれど、ケネディよりはまし。名古屋の攻めのバリエーションは多くない。戦いやすい」と率直に語った。

 ピクシーは「今年はストライカーがいなかった。采配が難しかった」と嘆く。たった一人の力に依存し、欠場時の戦い方を煮詰めてこなかった代償は、総得点が昨季比マイナス21という数字に表れてしまった。

 ケネディは11月に腰の手術に踏みきり、リハビリに集中するため早々に豪州へ帰国した。チーム側はエースの再起をサポートする方針だが、過度な期待は禁物。2013年は“ケネディありき”のサッカーからの脱却が、大きなテーマになる。 (木村尚公)

    ◇ 

 期待から失望へ−。2012年、前年に勝ち点1差で連覇を逃した名古屋グランパスは充実の陣容でV奪回を目指した。FWにケネディ、永井、中盤には藤本、ダニルソン、守りには闘莉王、楢崎。戦前には優勝候補最右翼と見る向きもあったが、結果は7位に沈んだ。タレント軍団が敗れた背景や、逆襲へのヒントを探る。

 

この記事を印刷する

PR情報

おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ