[月刊チャージャー]

まずは疑って係!
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【調査】まずは疑って係!/NPO法人『地球生物会議 ALIVE』の代表者に聞いてみました ショップで売れ残った犬はどうなるの?
 
売れ残った犬は動物実験でも殺される? 
野放しの実態は闇の中
売れ残りの犬たちの末路としてもうひとつ注目するべきなのが「動物実験」だ。この記事の冒頭で紹介した『売れ残り動物の取扱い』のアンケートで「動物業者に譲渡・販売した」という回答がある。この「動物業者」の中には実験施設に動物を売る業者が含まれている可能性が高い。始めから実験用の動物として繁殖、飼育されて、感染症などの心配がない健康な犬は、通常数十万円はする。ところが「動物実験を行っている施設の情報を調べると、一頭2万円とか3万円で仕入れているケースがある」と野上さんはいう。

野上氏が監修した絵本。『実験犬シロのねがい』(ハート出版)
野上氏が監修した絵本。『実験犬シロのねがい』(ハート出版)
動物実験は必要悪という意見もありますが、正確な年齢や病歴もわからない犬を使った実験でちゃんとしたデータが得られるでしょうか。かつては保健所などから動物実験に大量の犬や猫が払い下げられていました。当時、研究者から聞いた話では、保健所から来る犬でまともに実験に使えるのは10頭に1頭ほどということでした」(野上さん)

何よりも問題なのは動物実験の実態があまりにも不透明なこと。日本では動物実験についてほとんど何も法的な規制がない。「動物実験をする施設に登録も許可も必要ないのは先進国で日本だけです。動物実験施設に動物が入るのも出るのも闇の中。ペットショップなどの動物取扱業者は登録が必要なのに、動物実験施設が除外されているのは意味不明です」(野上さん)というのが実情なのだ。

『地球生物会議 ALIVE』とともに動物実験廃止を呼びかけている『AVA-net』の資料によると、最も少なくみても日本では毎年1000万匹以上の動物が実験のために命を落とし、5000億円の税金が動物実験を含むライフサイエンスの研究に使われているという。

実験そのものの情報が公開されないばかりでなく、実験施設に動物を供給する業界の構造も不透明。反対運動などの成果で、最近は保健所などから実験施設への動物の提供はなくなったようだ。でも、安価な実験動物へのニーズを満たすため、ペットショップの売れ残りを実験施設に流すブローカーなどが暗躍するルートがどこかに存在しているらしい。いずれにしても、繁殖や殺処分の実態と同様に、現状は闇に包まれていることが悩ましい。
次のページは、「あまりにも不幸な犬をなくすため、何をすればいいのだろう?」
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