再生の原風景 渡良瀬
ラムサール条約への登録候補地、渡良瀬遊水地の魅力を写真で紹介
【社会】官邸前デモ参加者 意志託せる人を
◆意識変わってきた「争点は原発。ここで原発をやめないと何も始まらない」。東京都世田谷区のグラフィックデザイナー小辻雅史さん(36)は四日、雑誌の締め切りに追われ、朝まで自宅で仕事だった。原発をやめるのか、それとも続けるのか。「じっくり政党の政策を見極めたい」。その時が来た。 二十代前半は政治に関心がなく、選挙にも行かなかった。だが仕事を始め、二十代後半になり、自分たちの世代で社会を変えないとだめだと思い、政治を勉強するようになった。「無関心でいるのが一番良くない。東日本大震災もあり、政治に向き合うことは避けられないと思っている」 六月から、毎週金曜の国会前の脱原発抗議活動に恋人と二人で参加している。「未来を担う子どもたちに責任を押しつけるわけにはいかない」と、二人で話し合うことも多い。 普段はバカな話で盛り上がるミュージシャン仲間との間でもデモが話題になる。「面と向かっては照れくさいのでツイッターで考えを伝え合うことが多いですけど、みんな意識は変わってきている」 投開票前日には日比谷公園(東京都千代田区)で脱原発デモがある。「政治家に目を向けさせ続けるためにもデモに参加する。そして必ず投票します」
◆公約より行動見る四日の朝、パソコンを開くと、脱原発を掲げる政党や候補者の情報がメールで届いていた。「一つでも議席を増やしたいと思いました」と東京都西東京市の元幼稚園教諭尾下奈穂子さん(38)は力を込める。 かつては「原発は事故が起きなければ怖くない」と思っていた。3・11を境に住民避難も廃棄物の処理の問題も未解決と知った。当時勤めていた会社を辞め、ボランティアで被災地へ。カキを養殖するおじいさんが「放射能が怖い」と話すのを聞き、経済産業省を取り囲む輪に加わった。 今春から官邸前に通う。デモの経験はなかったが、参加するたびに力強い気持ちになる。「自分だけでなく、子や孫、次世代にきれいな古里を残そうとしている。人の温かさを感じた」。七日も官邸前に行くつもりだ。 三年前の衆院選では、マニフェストをノートに張って見比べた。今回は各党の公約に「○○年に原発ゼロ」の文字が並ぶ。みんなうそと感じる。「口だけで『脱原発』と言っても、信用できない。何をしてきたかを見ています」 国会で良いことを言っていた議員が落ちないようにする。その揚げ足を取っていた人も忘れない。原発即時ゼロの実現へ。「具体的に動いている人を当選させたい」 PR情報
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