カズ「ゴンがいたから」盟友引退に寂しさ
日刊スポーツ - 2012年12月5日(水)7時7分
引退表明した中山との思い出を語る横浜FCのカズ(撮影・小沢裕)
ゴンがいたから、僕もここまで来ることができた-。FW中山雅史(45=札幌)の引退会見を受け、日本代表の盟友だったFWカズ(三浦知良、45=横浜FC)が4日、東京・港区のホテルで取材に応じた。W杯出場を目指して日本代表で共闘し、所属クラブではライバルとしてピッチに立った中山の引退。日本サッカー界の「KING」は寂しさをかみしめつつ、中山への感謝、自身の現役生活への意気込みを語った。
あまたある思い出が脳裏をよぎったのだろう。涙はなかった。笑いもあった。ただ、カズは盟友がピッチを去るという寂しさをかみしめた。「ずっと一緒にやってきた。あいつがいたから、僕はここまでこれたと思うし、寂しさはありますね」。こみ上げる気持ちを隠すことはできなかった。
急ごしらえの会場にはテレビカメラが並び、報道陣が集まった。ここ数年は中山の膝の状態を把握していただけに「ゴンの決断だから尊重したいですね。残念というのは失礼かもしれないけど、今までJ1、J2で1年に1度は戦う機会があったので、なくなるということは残念です」と気遣った。
日本代表の盟友としてオフトジャパンでは94年W杯米国大会アジア最終予選で「ドーハの悲劇」を味わった。日本がW杯初出場を決めた98年W杯フランス大会では中山がメンバー入りした一方で、カズは直前で落選。そんな経験など、おくびにも出さず「僕らは喜びも苦しみも黙ってても分かるくらいの時間を過ごしてきた。ゴンのすごさは弱音を吐かないこと。痛くても走れたら走ってしまう。痛みを超えられるところはすごい」と敬意を表した。
しんみりした空気を一変させる爆笑エピソードも披露した。オフトジャパン立ち上げ直後、92年7月のオランダ遠征でザイストという街に滞在した。夜に中山と公園に寝ころび「日本サッカーを強くしたい」と思いを語り合っていると「時間がたって気付くと、周りはゲイのカップルばかり…。2人で『帰ろうか』ってなって」。この時ばかりは満面の笑みを浮かべた。
「今はかける言葉は見つからない。『体を休めて』というのも嫌がるだろうし。ま、何か思いついた時に僕から(本人に)言います。言葉を超えた仲ということで。今日は勘弁して下さい」。この日は明かさなかった中山への「送る言葉」。それは最高の形でゴンへと送られるだろう。【菅家大輔】
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